白内障手術後の視界不良?後発白内障について

白内障手術後の視界不良?後発白内障について

眼のことを教えて

先生、「後発白内障」って白内障の手術の後でまた白内障になるってことですか?

眼の研究家

いい質問だね。厳密に言うと、後発白内障は最初の白内障とは少し違うんだ。最初の白内障は、元々あった水晶体自体が濁ってしまう病気だよね。後発白内障は、手術で水晶体を取り除いた後に、その水晶体が入っていた袋が濁ってしまう状態を指すんだ。

眼のことを教えて

じゃあ、手術の後で、目の中の別の部分が濁ってしまうってことですか?

眼の研究家

その通り!だから、後発白内障は、最初の白内障が再発したというよりは、手術の後に起こる別の変化と言った方が正しいね。ただ、視界がぼやけるという点では、最初の白内障と症状は似ているんだ。

後発白内障とは。

「後発白内障」は、白内障の手術を受けた後に起こることがあります。手術では、濁ってしまった水晶体の代わりに眼内レンズを入れますが、この眼内レンズを入れた袋が再び濁ってしまうことがあります。これが後発白内障です。手術を受けた人の10人から3人に1人に見られますが、「YAGレーザー」というレーザーを使って濁りを取れば、視力を取り戻すことができます。

後発白内障とは?

後発白内障とは?

– 後発白内障とは?白内障の手術を受けた後、再び視界がかすんでしまう症状が現れることがあります。これは「後発白内障」と呼ばれるもので、白内障手術後、ある程度の期間を経てから発症する病気です。白内障手術では、濁ってしまった水晶体を取り除き、代わりに人工のレンズである眼内レンズを挿入します。この眼内レンズは、水晶体を包んでいた薄い膜(後嚢)の中に大切に収められます。後発白内障は、この後嚢の一部が濁ってしまうことで引き起こされます。例えるなら、透明な袋(後嚢)の中に新しいレンズ(眼内レンズ)を入れたとします。 時間が経つにつれて、袋の一部が曇ってしまい、レンズを通して見にくくなってしまう状態が、後発白内障と言えるでしょう。後発白内障は、自然な老化現象の一つとして誰にでも起こる可能性がありますが、その症状や進行には個人差があります。もし白内障手術後に視界がかすむなどの症状が現れた場合は、早めに眼科を受診し、適切な検査と治療を受けるようにしましょう。

後発白内障とは 原因 症状 治療
白内障手術後、再び視界がかすんでしまう病気 眼内レンズを包む膜(後嚢)の一部が濁る 視界がかすむ 眼科を受診し、適切な検査と治療

後発白内障の症状

後発白内障の症状

後発白内障は、白内障手術を受けた後に、再び視界が曇ってしまう病気です。ここでは、後発白内障によって現れる主な症状について詳しく解説します。

後発白内障の最も一般的な症状は視力低下です。目の前がかすんで見えたり、ぼやけたりすることがあります。手術後しばらくは視界が良好だったのに、徐々に視力が悪くなっていく場合は、後発白白内障が進行している可能性があります。

また、光がまぶしく感じるのも、後発白内障の特徴的な症状の一つです。太陽光や照明が過剰にまぶしく感じられ、不快感を覚えることがあります。その他、物が二重に見えたり、色がくすんで見えたりすることもあります。

これらの症状は、一度にすべて現れるとは限りません。初期は視力低下や、かすむような症状が軽度なため、見過ごしてしまう場合もあります。しかし、後発白内障は進行すると視機能に影響を及ぼす可能性があります。白内障手術後に少しでも目の異変を感じたら、早めに眼科を受診し、適切な検査と治療を受けるようにしましょう。

症状 詳細
視力低下 視界がかすむ、ぼやける、手術後徐々に視力が悪くなる
光過敏 太陽光や照明がまぶしく感じる
複視 物が二重に見える
色覚異常 色がくすんで見える

後発白内障の原因

後発白内障の原因

– 後発白内障の原因
後発白内障は、白内障の手術後に再び視界がかすんでくる病気です。一体なぜ、せっかく手術を受けたのに再び視界が悪くなってしまうのでしょうか?

白内障は、カメラのレンズに当たる水晶体と呼ばれる部分が濁ってしまう病気です。白内障手術では、この濁ってしまった水晶体を取り除き、代わりに人工のレンズを挿入します。

手術の際、水晶体を取り囲む薄い膜である後嚢という部分は、人工レンズを支えるために残されます。ほとんどの水晶体は手術で取り除かれますが、ごくわずかに残った水晶体の細胞が増殖してしまうことが、後発白内障の原因です。

これらの細胞は、後嚢で増殖し、線維のようなものを作り出します。そして、この線維が後嚢を濁らせてしまい、光を遮ってしまうため、視界がかすんでしまうのです。

後発白内障の発症には個人差があり、体質によって細胞の増殖しやすさが異なると考えられています。また、糖尿病などの基礎疾患や、手術後の炎症なども、発症リスクを高めると言われています。

後発白内障の原因 詳細
水晶体細胞の増殖 手術で水晶体のほとんどは取り除かれるが、わずかに残った細胞が後嚢上で増殖し、線維を生成する。
後嚢の濁り 増殖した細胞が生成する線維により後嚢が濁り、光を遮ることによって視界がかすむ。
発症リスク 個人差(体質)、糖尿病などの基礎疾患、手術後の炎症などがリスクを高める。

後発白内障の治療法

後発白内障の治療法

– 後発白内障の治療法について白内障手術後、数年経ってから視力が低下することがあります。これは、一度手術で濁りを除去した水晶体の後嚢と呼ばれる部分が再び濁ってしまうために起こり、後発白内障と呼ばれます。後発白内障の治療は、濁ってしまった後嚢にレーザーを照射し、視界を遮る部分を切り開くことで行います。この治療法はレーザー後嚢切開術と呼ばれ、YAGレーザーという種類のレーザーが用いられます。レーザー後嚢切開術は、外来で10分程度で終了します。点眼麻酔を使用するため、痛みはほとんどありません。レーザー照射後、視力回復までに数時間から数日かかる場合もありますが、その後は視界が明るくなり、視力も改善されます。レーザー後嚢切開術は、安全性が高く、合併症もほとんどない治療法です。後発白内障は、白内障手術を受けた方の約半数に起こるとされています。もし、白内障手術後に視力低下を感じたら、早めに眼科を受診しましょう。

項目 説明
症状 白内障手術後、数年経ってから視力が低下する
原因 水晶体の後嚢と呼ばれる部分が再び濁る
病名 後発白内障
治療法 レーザー後嚢切開術

  • 濁った後嚢にYAGレーザーを照射し、視界を遮る部分を切り開く
治療時間 約10分(外来)
治療中の痛み 点眼麻酔を使用するため、ほとんどない
視力回復 数時間から数日
治療の安全性 安全性が高く、合併症もほとんどない
発症率 白内障手術を受けた方の約半数

後発白内障の予防

後発白内障の予防

目の水晶体が濁ってしまう白内障は手術で濁りを除去できますが、術後、再び視界がかすんでしまう後発白内障が起こることがあります。後発白内障は、白内障手術を受けた方の約2割にみられます。

後発白内障を完全に防ぐことはできません。しかし、発症を遅らせたり、発症率を下げたりする方法があります。

白内障手術では、濁った水晶体を取り除き、代わりに人工のレンズである眼内レンズを入れます。後発白内障は、この眼内レンズを支えている薄い膜(後嚢)が濁ってしまうことで起こります。

眼内レンズには様々な種類があり、材質や形状によって後発白内障の発症率が異なります。医師とよく相談し、ご自身の目に合った眼内レンズを選びましょう。

また、手術の際に後嚢を適切に処理することで、後発白内障の発症を抑えることができます。

後発白内障は、自覚症状がない場合でも、定期的な眼科検診で早期発見できることがあります。早期に発見できれば、レーザー治療で比較的簡単に治療できます。白内障手術後も、医師の指示に従って、定期的な眼科検診を受けるようにしましょう。

後発白内障とは 原因 予防法 治療法
白内障手術後、視界がかすむ病気 眼内レンズを支える後嚢が濁る
  • 眼内レンズの種類(材質・形状)
  • 手術時の後嚢の適切な処理
レーザー治療