眼の健康を守る！角膜内皮細胞を知ろう

眼の健康を守る！角膜内皮細胞を知ろう

角膜内皮細胞とは

– 角膜内皮細胞とは

私たちの目は、カメラで例えるとレンズとフィルムで構成されています。カメラのレンズに相当するのが「角膜」、フィルムに相当するのが「網膜」です。角膜は、眼球の最も外側に位置する透明な膜で、外部から入ってきた光を屈折させて網膜に届け、私たちがものを見ることができるようにする、重要な役割を担っています。

この角膜が、なぜ透明性を保っていられるのかというと、その裏側にはたらく縁の下の力持ち、「角膜内皮細胞」のおかげです。角膜内皮細胞は、角膜の一番奥に位置する、わずか一層の細胞層です。

角膜内皮細胞は、角膜内の水分量を調節するポンプのような役割を担っています。角膜は常に涙に浸っているため、そのままでは水分を吸収し続けてしまいます。角膜内皮細胞は、余分な水分を角膜の外へ排出することで、角膜がむくんでしまわないように、そして透明性を保てるように、常に働き続けています。

つまり、角膜内皮細胞は、私たちがはっきりとものを見ることができるように、陰ながら支えてくれている、とても重要な細胞なのです。

細胞の形と特徴

私たちの眼の表面を覆う角膜は、透明な組織で、外界の光を取り込み、鮮明な視界を得るために重要な役割を担っています。そして、その角膜の一番外側にある細胞の層が角膜内皮細胞です。
顕微鏡で拡大してみると、角膜内皮細胞はまるで規則正しく敷き詰められたタイルのように、ほとんどが六角形の形をしています。この美しい配列は、細胞同士が密接に繋がり合い、角膜の機能を維持するために大変重要です。
ところが、この重要な細胞は、一度傷ついたり、病気などで失われてしまうと、自ら新しい細胞を生み出して修復することはできません。加齢と共に細胞の数自体は少しずつ減っていきますが、病気やけが、あるいは長期間にわたるコンタクトレンズの使用によっても、角膜内皮細胞はダメージを受け、減少してしまうことがあります。
角膜内皮細胞が減少すると、角膜は正常な状態を保つことが難しくなり、透明度が失われてしまいます。その結果、光が眼の奥まで届きにくくなり、視界は霞んでしまいます。さらに症状が進むと、視力低下を引き起こす可能性もあり、私たちの生活に大きな影響を与える可能性があります。

加齢による影響

私たち人間は、歳を重ねるごとに身体の様々な機能が衰えていきます。目も例外ではなく、その中でも角膜は年齢の影響を受けやすい組織の一つです。角膜は、目の最も外側に位置し、カメラのレンズのように光を集めて網膜に届ける役割を担っています。透明で滑らかな表面であることが、視界をクリアに保つために非常に重要です。

角膜の内側には、角膜内皮細胞と呼ばれる細胞の層が存在します。この細胞は、角膜の透明性を維持するために、余分な水分を排出するポンプのような役割を担っています。しかし、加齢とともに角膜内皮細胞数は減少し、その機能も低下してしまいます。

細胞数の減少と機能低下により、角膜は本来の透明性を維持することが難しくなり、濁りが生じやすくなるのです。さらに、角膜内皮細胞は再生能力が低いため、一度損傷を受けると回復が難しいという特徴があります。加齢による角膜内皮細胞の減少は、誰にでも起こりうる自然な現象ですが、その結果として視力低下や眼病のリスクが高まる可能性があることを理解しておく必要があります。

コンタクトレンズとの関係

視力矯正の手段として、多くの人がコンタクトレンズを利用しています。手軽で便利な反面、使い方を誤ると目に負担をかけてしまう側面もあります。特に、角膜の内側にある角膜内皮細胞は、コンタクトレンズの影響を受けやすい部分です。
角膜内皮細胞は、角膜の透明性を保つために重要な役割を担っています。しかし、コンタクトレンズの長時間装用は、角膜に酸素が行き渡るのを妨げ、細胞にダメージを与えてしまう可能性があります。酸素不足の状態が続くと、角膜内皮細胞は数を減らし、正常な働きができなくなってしまいます。
さらに、コンタクトレンズの不適切な使い方も、角膜内皮細胞に負担をかけます。例えば、汚れたレンズを使い続けたり、決められた交換時期を守らなかったりすると、角膜に傷がつき、炎症を起こしやすくなります。炎症が悪化すると、角膜内皮細胞がダメージを受け、視力低下の原因となることもあります。
そのため、コンタクトレンズは、眼科医の指示に従って、正しく使用することが非常に大切です。定期的な眼科検診を受け、目の状態をチェックしてもらいながら、安全にコンタクトレンズを使いましょう。

手術による影響

目の水晶体が濁ってしまう病気の治療や、視力を矯正する目的で行われる手術は、多くの場合、良好な結果をもたらします。しかし、どんな手術にも少なからずリスクはつきもの。手術を行うことで、目の表面に近い部分にある、角膜内皮細胞という細胞が減ってしまう可能性があるのです。角膜内皮細胞は、角膜の透明性を保つために重要な役割を担っています。もし、この細胞が極端に減少してしまうと、角膜が濁り、視力低下を引き起こす可能性があります。 近年、普及が進んでいる多焦点眼内レンズを用いた手術は、従来の手術に比べて、角膜内皮細胞への負担が大きいという報告があります。 多焦点眼内レンズは、遠近両方の視力改善が期待できる一方、手術の際に、より繊細な操作が必要となる場合があり、その影響が懸念されています。目の手術を受ける際には、医師から手術の内容やリスク、術後の注意点について、十分な説明を受けることが大切です。疑問点や不安なことがあれば、遠慮なく質問し、納得した上で手術を受けるようにしましょう。

健康な目を保つために

私たちの目は、日々多くの情報を外界から受け取るための大切な器官です。目の健康を維持するためには、日々の心がけが重要になります。特に、角膜内皮細胞は一度減少すると自然に増えることが難しいため、注意が必要です。 角膜内皮細胞は、角膜の透明性を保ち、クリアな視界を維持するために重要な役割を担っています。この細胞が減少すると、角膜が濁り、視力が低下する可能性があります。
では、どのようにすれば角膜内皮細胞を守り、目の健康を保てるのでしょうか。 まず、定期的な眼科検診が重要です。自覚症状がなくても、目の状態を定期的にチェックすることで、 early stage で目の病気を発見し、進行を遅らせることにつながります。 また、健康な体を維持することも目の健康に繋がります。栄養バランスの取れた食事を心がけ、十分な睡眠をとり、目を休ませるようにしましょう。
さらに、紫外線は角膜内皮細胞にも悪影響を与えるため、日差しが強い日はサングラスや帽子を着用するなど、紫外線対策をしっかり行いましょう。
そして、目の疲れや痛み、視界のかすみなど、少しでも異常を感じたら、すぐに眼科を受診することが大切です。自己判断で放置せず、専門医に相談することで、適切な診断と治療を受けることができます。 目はかけがえのないものです。毎日の生活習慣を見直し、目の健康を意識することで、いつまでも明るくクリアな視界を保ち続けましょう。