円錐角膜治療の選択肢 インタクス
眼のことを教えて
先生、「インタクス」ってどういうものですか?
眼の研究家
「インタクス」は、円錐角膜という、角膜が円錐形に突出してしまう病気の治療に使うものだよ。透明なリングを角膜に埋め込むことで、角膜の形を整えるんだ。
眼のことを教えて
リングを埋め込むんですか?どんなリングなんですか?
眼の研究家
そうだよ。リングは透明で、目には見えないくらい薄いんだ。大きさには種類があって、病気の程度に合わせて選ぶんだけど、内径が6mmと7mmのものが多いかな。通常は2個を角膜に埋め込むんだよ。
Intacs(インタクス)とは。
「インタクス」は、円錐角膜という、角膜が円錐形に変形してしまう病気の治療に使うリングの名前です。透明な角膜に、ふつうは2つのリングを埋め込みます。リングは、角膜の飛び出具合によって長さと厚みが違います。内側の直径は6ミリのものと7ミリのものがあります。
円錐角膜とは
– 円錐角膜とは円錐角膜は、眼球の前面にある透明な膜である角膜が、徐々に薄くなっていく病気です。 角膜は、カメラのレンズのように光を集めて網膜に像を結ばせることで、私たちがものを見ることができるようにする、大切な役割を担っています。 健康な角膜はドーム状の形をしていますが、円錐角膜になると、角膜の一部が薄くなって突出していき、円錐のような形に変形してしまいます。 この変形によって、角膜で光を正しく屈折させることができなくなり、視界に影響が出てしまうのです。 具体的には、視界がかすんだり、ぼやけたり、ゆがんで見えたりします。 また、光が乱反射することで、まぶしさを感じたり、ものが二重に見えたりすることもあります。 症状の程度は人によって異なり、初期はほとんど自覚症状がない場合もあれば、進行すると視力が著しく低下し、日常生活に支障をきたす場合もあります。 円錐角膜の原因は、まだはっきりと解明されていませんが、遺伝やアレルギー、目をこする癖などが関係していると考えられています。
項目 | 説明 |
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病気名 | 円錐角膜 |
定義 | 角膜(眼球の前面の透明な膜)が薄くなり、円錐状に変形する病気 |
役割 | カメラのレンズのように光を集め、網膜に像を結ぶ |
症状 | 視界のかすみ、ぼやけ、ゆがみ、まぶしさ、二重に見えるなど |
原因 | 遺伝、アレルギー、目をこする癖などが考えられるが、不明な点も多い |
インタクスによる治療
– インタクスによる治療インタクスは、円錐角膜という、角膜が徐々に薄くなり、円錐のように突出してしまう病気の治療法の一つです。この病気は、視力低下やものが歪んで見えるなどの症状を引き起こします。インタクスは、透明な素材で作られたリング状の小さなインプラントです。これを角膜に埋め込むことで、変形した角膜の形を矯正し、視力改善を目指します。手術は点眼麻酔で行われ、角膜に小さな切開を加えて、その中にリングを挿入します。リングは角膜内でちょうど良いカーブを保つ役割を果たし、本来あるべき滑らかなドーム状の形に近づけます。インタクスによる治療は、角膜移植に代わる低侵襲な治療法として注目されています。角膜移植と比べて、手術に伴う身体への負担が少なく、回復も早いことが特徴です。また、視力改善効果も高く、多くの患者さんで視力回復が見られます。しかし、すべての人に効果があるわけではなく、症状の進行度合いによっては、他の治療法と組み合わせる必要がある場合もあります。
項目 | 説明 |
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治療法 | インタクス |
対象疾患 | 円錐角膜 – 角膜が薄くなり円錐状に突出する病気 – 視力低下やゆがみを引き起こす |
インタクスの特徴 | – 透明なリング状のインプラント – 角膜に埋め込み、変形を矯正 |
手術方法 | – 点眼麻酔下で実施 – 角膜を切開し、リングを挿入 |
効果 | – 角膜のカーブを矯正し、ドーム状の形に近づける – 視力改善効果が高い |
メリット | – 角膜移植に代わる低侵襲な治療法 – 身体への負担が少ない – 回復が早い |
注意点 | – 全員に効果があるわけではない – 症状によっては他の治療法との併用が必要な場合もある |
インタクスの種類
目の手術に用いられる小さな器具であるインタクスは、その大きさによって治療の効果が変わってきます。現在、インタクスには内径が6mmと7mmの2種類のリングが用意されています。
治療を受ける患者さんにとって最適なインタクスの大きさを決めるには、円錐角膜の進行具合、角膜の形、目の状態といった要素を総合的に判断する必要があります。一般的に、角膜の突出が軽度の場合、つまり円錐角膜の初期段階では、6mmのリングが選択されます。一方、円錐角膜が進行し、角膜の突出が顕著な場合には、より強力な矯正力を持つ7mmのリングが適しています。
このように、インタクスの大きさは、患者さん一人ひとりの目の状態に合わせて慎重に選択されます。最適な大きさのインタクスを使用することで、円錐角膜の進行を抑制し、視力改善の効果が期待できます。
インタクスの大きさ | 適応 |
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6mm |
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7mm |
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インタクスのメリット
– インタクスのメリットインタクスは、角膜を切除せずに視力を矯正できる治療法です。そのため、目の手術であることに変わりはありませんが、体への負担は大きく軽減されます。従来の視力矯正手術として知られる角膜移植手術と比較すると、その違いは明確です。角膜移植手術では、患者さん自身の角膜を大きく切除し、ドナーから提供された角膜と交換します。手術は大掛かりなものとなり、体への負担も大きくなってしまいます。また、術後の視力回復にも時間がかかります。一方、インタクスは、角膜に小さな切開を加え、レンズを挿入するだけで完了します。切開もごく小さいため、傷口も早く治り、視力も早い段階で回復します。それだけではありません。インタクスは、治療効果が思うように得られなかった場合や、患者さんの都合で元に戻したい場合でも、レンズを取り外すことができます。レンズを取り外せば、角膜は元の状態に戻ります。これは、将来的な不安を解消する上でも大きなメリットと言えるでしょう。例えば、将来的に何らかの理由で角膜移植が必要になった場合でも、インタクス治療を受けていたからといって、移植手術を受けられないということはありません。このように、インタクスは患者さんの体への負担を最小限に抑えながら、視力矯正の効果が期待できる、画期的な治療法と言えるでしょう。
項目 | インタクス | 角膜移植手術 |
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手術内容 | 角膜に小さな切開を加え、レンズを挿入 | 患者自身の角膜を大きく切除し、ドナーの角膜と交換 |
体への負担 | 少ない | 大きい |
術後の回復 | 早い | 遅い |
治療効果の調整 | レンズの取り外し可能 | 不可 |
将来的な角膜移植 | 影響なし | – |
インタクス治療の注意点
– インタクス治療を受ける際の注意点インタクス治療は、円錐角膜の進行を抑制する効果が期待できる画期的な治療法ですが、すべての方に適応されるわけではありません。治療を受けることができるかどうかは、眼の状態によって慎重に判断されます。 具体的には、円錐角膜の進行度合い、角膜の厚さや形状、視力などが評価の対象となります。例えば、角膜が極端に薄くなっている場合や、円錐角膜がかなり進行している場合は、インタクス治療が適さないことがあります。また、インタクス治療を受けた後も、定期的に眼科で検査を受けることが非常に重要です。治療後の経過を注意深く観察し、視力や角膜の状態に変化がないか、合併症などが起こっていないかを調べる必要があります。担当の医師の指示に従って、適切なケアを継続していくことが、良好な視機能を維持するために不可欠です。治療に関する疑問や不安があれば、遠慮なく医師に相談しましょう。
治療 | 対象 | 注意点 |
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インタクス治療 | 円錐角膜の進行抑制 |
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