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両眼で視るということ:両眼視力の重要性

- 両眼視力とは私たちが普段、ものを見るとき、左右両方の目はそれぞれ別の角度から対象物を捉えています。そして、脳はそれぞれの目から送られてくるわずかに異なる二つの映像を一つに統合し、奥行きや立体感、距離感を認識しています。このように、両方の目を使うことで得られる視覚機能のことを「両眼視力」と呼びます。両眼視力は、単に両目の視力値の合計を指すのではありません。たとえ左右の目がそれぞれ良く見えていたとしても、両方の目でうまく情報処理ができず、立体的にものを見ることができない場合もあります。両眼視力は、スポーツや自動車の運転、精密作業など、日常生活のあらゆる場面で重要な役割を果たしています。例えば、ボールを正確にキャッチするためには、ボールまでの距離や速度、移動する方向を立体的に把握する必要があり、このときに両眼視力が大きく関わってきます。また、車の運転では、車間距離や他の車との位置関係を正しく把握するために両眼視力が欠かせません。このように、両眼視力は私たちが安全かつ快適に日常生活を送る上で非常に重要な機能と言えるでしょう。
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視力検査でおなじみ?ランドルト環について

- ランドルト環とは?視力検査を思い浮かべると、多くの人が「C」のような形をした記号を思い出すのではないでしょうか。あの記号こそ、視力検査で広く用いられる「ランドルト環」です。正式には「ランドルト氏環」と呼び、19世紀末にスイスの眼科医であるエドマンド・ランドルトによって考案されました。ランドルト環は、円の形をしており、その円周の一部に一定の幅の切れ込みが入っているのが特徴です。この切れ込みは、円の大きさに対して決まった割合で幅と長さが定められています。そして、視力検査では、この切れ込みがどの方向を向いているかを識別することで、視力を測定します。視力検査表には、大きさの異なるランドルト環が並べられています。検査を受ける人は、決められた距離からこれらの環を見つめ、切れ込みの方向を答えていきます。 正しく答えられる距離が遠くなるほど、また、正しく答えられる環が小さくなるほど、視力が高いと判定されます。ランドルト環は、そのシンプルな形状と、視力を正確に測定できるという利点から、世界中で広く採用されています。 日本でも、学校や職場での健康診断など、様々な場面で視力検査に用いられています。
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視界をクリアにするために:収差を理解する

- 収差とは 写真を撮る際、カメラのレンズの調整を誤ると、被写体がぼやけて写ってしまうことがあります。実は、人間の目にもカメラと同様、光を集めて映像を結ぶレンズが存在し、レンズの働きがうまくいかないと視界が鮮明に映らないことがあります。このような現象を「収差」と呼びます。 カメラのレンズにおいては、レンズを通った光が一点に集束し、センサー上に被写体の正確な像を結ぶことで鮮明な写真が撮れます。しかし、実際にはレンズの素材や形状、光の波長といった様々な要因によって、光は一点に完全に集束せず、像がずれてしまう現象が生じます。これが収差です。 収差には様々な種類がありますが、大きく分けて単色収差と色収差の2つに分類されます。単色収差は、光の波長に関わらず発生する収差で、球面収差、コマ収差、非点収差、像面湾曲、歪曲収差などがあります。一方、色収差は、光の波長によって屈折率が異なるために生じる収差で、軸上色収差と倍率色収差に分けられます。 収差は視界の歪みやぼやけを引き起こすため、視力低下の原因の一つと考えられています。例えば、球面収差は、レンズの中心部と周辺部で光の屈折率が異なるために生じ、視界全体にぼやけが生じる原因となります。また、乱視も収差の一種であり、角膜やレンズの形状が歪んでいるために、一点に光が集まらず、視界がぼやけたり、二重に見えることがあります。 このように、収差は視覚に大きな影響を与える可能性があります。そのため、日頃から目の健康に気を配り、定期的な眼科検診を受けるように心がけましょう。
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裸眼視力とは?

眼鏡やコンタクトレンズを使わずに、自分の目でどれくらいはっきり物が見えるかを測る指標を裸眼視力と呼びます。視力検査でおなじみの「1.0」や「0.5」といった数字で表され、この数値が大きいほど、遠くまでくっきりと物を見ることが出来ると言えます。 視力検査では、通常、決められた距離からランドルト環と呼ばれる「C」のような形の記号を識別します。このランドルト環の輪の切れ目部分を正確に認識できるかどうかで視力が判定されます。例えば、視力1.0の人は、1.0の指標となる大きさのランドルト環の切れ目を5メートル離れた場所から認識できます。視力0.5の人は、同じ大きさのランドルト環を2.5メートル離れた場所から認識できる視力ということになります。 裸眼視力は、日常生活での見え方の目安となる重要な指標です。視力が低い場合は、眼鏡やコンタクトレンズを使用して視力を矯正することで、より快適な生活を送ることができます。そのため、定期的な視力検査を受け、ご自身の視力状態を把握しておくことが大切です。
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5メートル先の視力って?

健康診断や運転免許の更新時など、多くの人が経験する視力検査。あの検査では、私たちは何メートル先のものを認識するよう求められているのでしょうか? 一般的に視力検査で使われる距離は5メートルですが、この距離には実は重要な意味があります。 視力検査は、目の機能が正常に働いているかどうかを測るための検査です。遠くにあるものを見るとき、私たちの目は水晶体の厚さを調節して網膜にきちんと像を結ぶように働きます。この調節機能が正常に働かないと、ものがぼやけて見えたり、遠くのものが見えにくくなったりします。 視力検査で5メートルという距離が使われるのは、この距離であれば水晶体の調節がほとんど働かない状態だからです。5メートルより近い距離では、水晶体が調節をしてしまうため、正確な視力を測ることができません。5メートルという距離を保つことで、水晶体の調節機能の影響を受けずに、純粋な視機能を評価することができるのです。 視力検査の結果は、私たちの目の健康状態を知る上で重要な指標となります。検査を受ける際には、5メートルという距離にも注目してみましょう。
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両眼視力のススメ

- 両眼視力とは両眼視力とは、読んで字のごとく両方の目で見た時の視力のことを指します。私たちは普段、ものを見るときに無意識に両方の目を使っています。では、なぜ両目で見る必要があるのでしょうか?それは、両眼を使うことで、左右の目から入ってくるわずかに異なる像が脳内で統合され、奥行きや立体感を感じ取ることができるからです。例えば、右目で見た景色と左目で見た景色では、対象物までの距離がほんのわずかですが異なります。このわずかな違いを脳が認識することで、私たちは対象物が自分からどのくらい離れているのか、どれくらいの大きさなのかを瞬時に判断することができます。つまり、両眼視力は単に視力検査の結果が良いというだけではありません。視力検査で測定される視力は、あくまで片目ずつの視力であり、両目で見た時の視力の質を表すものではありません。両眼視力は、空間を立体的に把握する能力に大きく関わっており、日常生活において非常に重要な役割を担っているのです。例えば、スポーツや車の運転、階段の上り下りなど、奥行きや距離感を正確に把握することが求められる動作は数多くあります。これらの動作をスムーズに行うためには、良い両眼視力が欠かせません。両眼視力が弱いと、これらの動作に支障をきたすだけでなく、日常生活においても不便を感じることが多くなります。
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失明:光を失うということ

失明とは、これまで世界が見えていた人が、光を感じる能力を失い、視力を失ってしまうことを指します。 医学的には、たとえ薄明かりであっても全く感じ取ることができない状態、つまり完全に視覚情報が失われた状態を指します。 これは、目の病気や怪我など、様々な原因によって引き起こされます。 一口に失明といっても、その程度は様々です。 医学的な定義では、全く光を感じない状態を指しますが、一般的には、明暗の区別が全くできない状態や、わずかに明暗がわかる程度の状態も、失明と表現されることが多いでしょう。 失明は、日常生活に大きな支障をきたす可能性があります。 これまで通りの生活を送ることが困難になり、仕事や学業、趣味など、様々な活動を諦めざるを得ない場合もあるでしょう。 また、精神的なショックも大きく、不安や孤独を感じやすくなることもあります。 失明の原因や症状、程度は人それぞれです。 そのため、失明に対する支援や治療法も、それぞれの状況に合わせて適切なものを選択していく必要があります。
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暗闇に目が慣れる仕組み:暗順応

薄暗い部屋に入ると、最初は何も見えなくて不安になりますが、しばらくすると少しずつ周囲が見えてくるという経験をしたことはありませんか?これは「暗順応」と呼ばれる、目が暗さに慣れるための機能のおかげです。 私たちがものを見るためには、目の奥にある網膜という組織で光を感じ取る必要があります。網膜には、昼間のように明るい場所で働く「錐体細胞」と、夜間や暗い場所で働く「桿体細胞」の二種類の細胞があります。 明るい場所では主に錐体細胞が働いて、物の色や形を細かく見せてくれます。しかし、錐体細胞は光に敏感で、暗い場所ではうまく機能しません。一方、桿体細胞は錐体細胞よりも光に敏感なので、暗い場所でもわずかな光を捉え、物の形を認識することができます。ただし、桿体細胞は色を識別することができません。 明るい場所から暗い場所に移動すると、最初は錐体細胞も桿体細胞もあまり機能しません。しかし、時間の経過とともに桿体細胞が徐々に活性化し、暗い場所でも見えるようになってきます。これが暗順応です。暗順応にはある程度の時間がかかり、完全に暗さに目が慣れるまでには20~30分ほどかかります。
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視力検査の仕組み:自覚的屈折検査

眼科を受診すると、ほとんどの場合に視力検査を受けます。視力検査には、大きく分けて視力検査と屈折検査の二つがあります。 視力検査は、文字通り視力の程度を測る検査です。皆さんがよくご存じの「C」のようなマークの大きさを変えながら、どちらの方向に開いているかを見分けてもらうことで、どれだけ細かいものを見分けられるかを調べます。この検査の結果は、普段の生活で眼鏡やコンタクトレンズが必要かどうかを判断する材料になります。 一方、屈折検査は、眼の屈折異常の有無や程度を調べる検査です。屈折異常とは、近視、遠視、乱視といった状態を指します。これらの状態は、眼に入ってきた光が正しく網膜に焦点を結ばないために起こります。屈折検査では、専用の機械を使って眼に光を当て、網膜に光がどのように集まっているかを調べます。検査結果に基づいて、眼鏡やコンタクトレンズの度数を決定します。 視力検査と屈折検査は、どちらも私たちの目の状態を詳しく知るために欠かせない検査です。視力に違和感を感じたら、早めに眼科を受診して検査を受けましょう。
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両眼でみる視界の力:両眼視力

- 両眼視力とは私たちは日頃から、ものを見るときに無意識に両方の目を使っています。もちろん、片方の目だけでもものを見ることはできますが、両方の目で見ることで、より広範囲の世界を立体的に、そして奥行きを感じながら認識することができるのです。これが両眼視力です。両眼視力は、右目と左目それぞれで捉えた映像を脳で一つに統合することで生まれます。それぞれの目はわずかに異なる角度からものを見ているため、その差によって距離感や奥行きを知覚することができます。例えるならば、それぞれの目がカメラの役割を果たし、脳がその二つの映像を組み合わせることで、立体感のある一枚の絵を作り出しているようなものです。この両眼視力は、日常生活のあらゆる場面で重要な役割を果たしています。例えば、遠くの景色を見るときには、遠くのものほど左右の目の見え方の差が小さくなり、距離感を掴むことができます。また、近くの物を見るときには、両方の目が内側に寄ることで、対象物に焦点を合わせ、立体的に捉えることができます。さらに、スポーツや自動車の運転など、動いているものを的確に捉える際にも、両眼視力は欠かせません。このように、両眼視力は私たちの生活において非常に重要な役割を担っています。もし、ものが二重に見えたり、距離感が掴みにくいなど、違和感を感じたら、眼科医の診察を受けるようにしましょう。
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視力検査でおなじみ?ランドルト環について

- ランドルト環とは?視力検査といえば、誰もが思い浮かべる「C」の形をしたあのマーク。あれこそが、ランドルト環と呼ばれる視力測定用の視標です。このランドルト環は、円の一部が切れ目になっており、その切れ目の向きが上下左右のどれかを答えることで視力を測ります。ランドルト環は、19世紀後半にフランスの眼科医であるエドマンド・ランドルトによって考案されました。そのシンプルな形状と測定のしやすさから、ランドルト環は世界中で広く採用されるようになり、現在では視力測定の国際的な標準となっています。日本では、学校や職場など、様々な場面で健康診断にランドルト環が用いられています。特に、学校保健法では、視力検査にランドルト環を用いることが義務付けられています。これは、子供の視力低下の早期発見・治療に役立てるためです。ランドルト環を用いた視力検査では、決められた距離から視標を見て、切れ目の向きを正しく答えることで視力が測定されます。視力が高い人ほど、小さなランドルト環の切れ目を識別することができます。そして、その識別できる最小のランドルト環の大きさが、視力の指標となるのです。
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手軽に測れる?字づまり式視力表

健康診断でおなじみの視力検査。これは、目で対象物を識別する能力を測る検査です。検査では、一般的に視力表と呼ばれる、さまざまな大きさの指標(ランドルト環)が並んだ表を用います。 視力表を使った検査では、決められた距離から、どれくらい小さな指標まで正確に識別できるかで視力を判定します。指標は、アルファベットの「C」のような形をしており、切れ目の向きを答えることで判定します。 視力は、一般的に1.0を基準として表されます。視力1.0とは、5メートル離れた場所から、切れ目の方向がわかる指標を識別できる能力を指します。視力が2.0であれば、その2倍、つまり10メートル離れた場所から同じ指標を識別できる能力があるということになります。 視力検査は、目の健康状態を把握するためにとても重要です。視力低下は、近視や乱視、遠視などの屈折異常だけでなく、白内障や緑内障などの病気のサインである可能性もあります。そのため、定期的な視力検査を受けるように心がけましょう。
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両眼視の奇跡:立体的な世界を感じるしくみ

- 両眼視とは両眼視とは、読んで字のごとく、両方の目を使って周囲の景色を捉える能力のことです。私たちは普段、両目を使って物を見ていますが、これは単に二つの画像を見ているだけではありません。左右の目はそれぞれわずかに異なる角度から物体を捉え、脳はその二つの映像を一つに統合することで、奥行きや立体感を感じ取っています。もし片目を閉じて周りを見渡すと、世界が平面的に感じられるはずです。これは、両眼視によって得られていた奥行き情報が失われてしまうためです。両眼視は、私たちが普段意識することなく行っている、非常に高度な処理によって成り立っています。この能力は、日常生活のあらゆる場面でその真価を発揮します。例えば、スポーツをするとき、車を運転するとき、あるいは階段を上り下りするときなど、私たちは無意識のうちに両眼視によって周囲の状況を把握し、適切な判断や行動をとっています。両眼視は、私たちの安全を確保するためにも、欠かせない機能と言えるでしょう。
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両眼開放視力とは?

- 両眼で開けて見る力の基礎 私たちは、日々の生活の中で、ものを見るとき、無意識に両方の目を使って見ています。ですから、片目ずつ測った視力よりも、両方の目を開けた状態で測る視力のほうが、実際にものを見ている状態に近い視力であるといえます。 両眼開放視力は、単に右目の視力と左目の視力を合わせたものではありません。両眼開放視力は、両方の目が協調して働くことで得られる、より高次な視機能と言えます。 たとえば、遠くを見たり、近くの物を見たりするときに、両方の目は、無意識に視線を調整して一つの像に融合させています。これは両眼視機能と呼ばれ、奥行きや立体感を感じ取るためにとても重要な機能です。 また、両眼開放視力は、片方の目に何かあった場合、もう片方の目がそれを補う力も示しています。そのため、両眼開放視力は、日常生活を送る上で、とても重要な役割を担っていると言えるでしょう。
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裸眼視力とは?

目の良さを見る検査でよく聞く「裸眼視力」ですが、これは眼鏡やコンタクトレンズを使わずに、どこまで物がはっきり見えるかを測る検査のことです。この検査の結果は、「1.0」や「0.5」といった数字で表されます。この数字のことを「視力」と呼ぶこともありますね。 この数字は大きければ大きいほど、遠くにある物までくっきりと見えていることを示しています。逆に数字が小さければ小さいほど、視力が弱く、物がぼやけて見えているということになります。 視力検査では、通常、決められた距離から、様々な大きさの「ランドルト環」と呼ばれるアルファベットの「C」のような形の図形を見ます。そして、その図形の切れ目の方向を正しく答えることができる最大の大きさを判定することで視力が測定されます。 視力1.0は、一般的に「正常視力」と呼ばれ、これは約5メートル離れた場所から、1.5ミリの切れ目があるランドルト環を認識できる視力を指します。そして、視力0.1の人は、視力1.0の人が5メートル離れた場所から見えている大きさのランドルト環を、1メートル離れた場所まで近づかないと認識することができない状態ということになります。
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立体視:奥行きを感じる仕組み

私たちの目は、顔の正面に並んで位置していますが、完全に左右対称にあるわけではありません。そのため、左右の目はわずかに異なる角度からものを見ています。 この角度の違いは、対象物との距離が近いほど大きくなります。例えば、目の前に指を立ててみましょう。そして、片目ずつ交互に閉じてみてください。指の位置が、背景に対してずれて見えることに気がつくでしょう。これは、左右の目が異なる情報を捉えている証拠です。 左右の目は、それぞれが捉えたわずかに異なる映像を脳に送ります。脳は、これらの映像を組み合わせることで、奥行きや立体感を感じ取っています。左右の目の角度の違いが大きいほど、より立体的にものを見ることができます。 この現象は、日常生活で無意識のうちに利用されています。例えば、階段を上り下りする時や、スポーツをする時など、私たちは空間を立体的に認識することで、安全かつスムーズに動くことができます。左右の目のわずかなズレが、私たちに奥行きのある世界を見せてくれているのです。
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視力って何? – 良い視力・悪い視力の基準-

- 視力とは 視力とは、目で物体の形や色を識別する能力のことを指します。簡単に言うと、どれだけはっきりと物事を見ることができるかということです。視力の検査では、一般的に決められた距離から、様々な大きさの文字や記号を読み取ります。この検査結果によって、私たちは自分の視力の度合いを知ることができます。 視力は私たちの日常生活において非常に大切な役割を担っています。例えば、読書や勉強、テレビやパソコンの使用、車の運転、そして人や物の認識など、ほとんどの行動において視力が大きく関わってきます。もし視力が低下してしまうと、これらの行動に支障が出てしまう可能性があります。視力が低下すると、生活の質が低下するだけでなく、場合によっては日常生活を送ることさえ難しくなってしまうこともあります。そのため、視力低下を感じたら、早めに眼科を受診することが大切です。
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色の見え方でわかる? レッドグリーンテスト

私たちは、世界を眼を通して見ています。眼は、カメラのレンズとよく似た働きをする水晶体を持っています。水晶体は、眼に届いた光を集め、網膜というスクリーンに像を結ばせる役割を担っています。 光は、透明なものでも通過するときにわずかに曲がる性質があり、これを屈折と呼びます。水晶体を通る光も屈折しますが、その度合いは光の波長によって異なります。波長の違いは、私たちが色として認識しているものです。 水晶体では、青い光は赤い光より大きく屈折します。そのため、水晶体を通った光は波長によって異なる位置に焦点を結び、像に色がついて見えてしまうことがあります。これを色収差と呼びます。色収差は、太陽の光が空気中の水滴で屈折し、虹ができるのと同じ原理です。 色収差は、視界をぼやけさせたり、物の輪郭に色がついて見えたりする原因となります。しかし、健康な眼では、脳が色収差を補正して、私たちが自然な色で見えるように調整しています。
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裸眼視力とは?

眼鏡やコンタクトレンズを使わずに、自分の目でどれくらいはっきりものが見えるかを測る検査を、裸眼視力検査といいます。日常生活で、どれくらい周りの状況を目で見て把握できているかを知るための大切な検査です。 視力検査といえば、アルファベットの「C」のような形をした、切れ目の入った輪っかを使う方法を思い浮かべる人が多いのではないでしょうか。この輪っかはランドルト環と呼ばれ、大きさの異なるランドルト環を、決まった距離から見て、切れ目がどちらの方向にあるかを答えます。 この検査で、どれだけ小さなランドルト環まで、切れ目の向きを正しく答えられたかで視力が分かります。視力は数値で表され、数値が大きいほど、遠くにある小さなものまで見えていることを意味します。つまり、視力が高いということになります。 この裸眼視力検査の結果は、視力が悪くなっているかどうか、悪くなっているとしたらどの程度なのかを知るための指標になります。視力低下のサインを見逃さないためにも、定期的に眼科を受診し、視力検査を受けるようにしましょう。
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気になる視界のズレ、不同視って?

- 不同視とは左右の目で視力が大きく異なる状態を、不同視と呼びます。私たちの目は、カメラのレンズのように外界の光を集め、網膜と呼ばれるスクリーンに像を映し出すことで物を見ています。このレンズの役割を果たす部分を眼球と呼びますが、不同視は、左右の眼球の屈折力が異なり、網膜に像を結ぶ力が左右で違ってしまうことで起こります。左右の眼球の屈折力の差が大きいと、ものが二重に見えたり、視界に違和感を感じることがあります。これが不同視の主な症状です。不同視は、近視や遠視、乱視といった屈折異常が原因で起こることが多く、生まれつき差がある場合もあれば、成長に伴って差が生じる場合もあります。軽度の不同視であれば、日常生活に支障がない場合もありますが、症状が強い場合は、頭痛や眼精疲労、肩こりなどを引き起こす可能性があります。また、放置すると弱視や斜視に繋がる可能性もあるため注意が必要です。不同視の治療法としては、眼鏡やコンタクトレンズを用いて視力矯正を行う方法が一般的です。
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両眼で織りなす立体視の世界

私たちは、世界を眺める時、当然のように一つの景色として認識しています。しかし実際には、右目と左目では微妙に異なる景色をとらえています。この違いは、カメラで例えると分かりやすいかもしれません。右目と左目は、それぞれ少しだけ位置の異なるレンズを持っているようなもので、そのため左右の目に入ってくる光の情報にも違いが生じるのです。 右目と左目それぞれが見ている景色は、例えるなら平面的な絵画のようなものです。一枚一枚は奥行きを持たない二次元の情報ですが、私たちの脳は、このわずかに異なる二つの絵画を重ね合わせることで、奥行きや立体感を作り出しているのです。 この、左右の目の視差から生じる奥行き知覚を「両眼視差」と呼びます。両眼視差は、特に近くの物体を見るときに顕著に働きます。指を目の前に立てて交互に目をつむってみると、指の位置がずれて見えることを実感できるでしょう。このずれが大きいほど、物体は近くに感じられます。 両眼視差は、私たちが普段意識することなく活用している、立体視のための重要な機能です。この機能のおかげで、私たちは空間を正確に認識し、安全に移動したり、物を掴んだりすることができるのです。
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視力検査でおなじみ?ランドルト環の秘密

- ランドルト環ってなに?多くの方が「あのCみたいな形のやつ?」とピンとくるでしょう。その通りです。ランドルト環は、視力検査でおなじみの、アルファベットの「C」のような形をした視標です。円の一部が切れ目になっており、その切れ目の向きは上下左右のいずれかになっています。視力検査では、この切れ目がどの方向を向いているかを答えることで視力を測ります。ランドルト環を用いた視力検査は、19世紀後半にフランスの眼科医であるフェルディナン・ランドルトによって考案されました。 そのため、彼の名前を取って「ランドルト環」と名付けられています。ランドルト環は、大きさの異なる環を順に見せていくことで、どの程度の大きさまで識別できるかを調べるというシンプルな方法で視力を測定します。ランドルト環の大きさは、視力によって異なります。視力が高いほど、小さなランドルト環を見分けることができます。 一方、視力が低い場合は、大きなランドルト環でも見分けることが難しくなります。視力検査では、通常、ランドルト環は5メートル離れた場所から見ます。そして、検査を受ける人は、片目を隠しながら、もう片方の目でランドルト環の切れ目の向きを答えます。これを両目で行い、視力を測定します。ランドルト環を使った視力検査は、簡単でありながら正確に視力を測定できるため、現在でも世界中で広く用いられています。
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明るい環境への適応:明順応

- 明順応とは 暗い部屋から太陽の降り注ぐ屋外に出たとき、最初は眩しくて目を開けていられないかもしれません。しかし、しばらくすると徐々にまぶしさが和らいで、周りの景色が見えるようになります。この、暗い場所から明るい場所に移動した際に、目が光に慣れていく仕組みを「明順応」と呼びます。 私たちの目は、カメラのレンズの役割を果たす「瞳孔」と、カメラのフィルムに相当する「網膜」で構成されています。 暗い場所では、より多くの光を取り込もうと瞳孔は大きく開きます。明るい場所に移動すると、まぶしさを感じると同時に、瞳孔は反射的に小さく絞られます。これにより、網膜に届く光の量が調整されます。 また、網膜には光を感じる視細胞が存在します。視細胞には、暗いところで働く「桿体細胞」と、明るいところで働く「錐体細胞」の2種類があります。暗い場所では、主に桿体細胞が働いていますが、明るい場所に移ると錐体細胞が働き始めます。錐体細胞は、色覚や視力に関係しており、明るい環境では、この錐体細胞の働きによって、私たちは鮮やかな色彩や細かいものを見ることができるようになります。 このように、明順応は、瞳孔の大きさの変化と視細胞の働きによって、私たちが様々な明るさの環境に適応し、快適に過ごすために欠かせない機能と言えるでしょう。
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不同視:左右の目の度数差と視力矯正

- 不同視とは不同視とは、左右の目で視力が大きく異なる状態を指します。普段の生活で、右目ははっきり見えるのに、左目はぼやけて見えたり、逆に左目ははっきり見えるのに、右目はぼやけて見えるという経験はありませんか? 多くの人は左右の目に多少の視力差がありますが、その差が大きい場合に、不同視と診断されます。一般的に、左右の目の視力差が2.0ジオプター以上になると、不同視と診断されます。ジオプターとは、レンズの屈折力を表す単位で、数字が大きいほど、レンズの屈折力が強く、視力が悪いことを示します。つまり、2.0ジオプター以上の差があるということは、左右の目の屈折力が大きく異なり、片方の目ははっきりと物を見ることができるにも関わらず、もう片方の目はぼやけて見えてしまう状態であると言えます。不同視は、生まれつき視力に差がある場合と、後天的に視力に差が出てくる場合があります。生まれたときから左右の目の大きさが極端に違ったり、目の形が異なる場合に、不同視として診断されることがあります。また、子供の頃に片方の目だけに強い近視や遠視、乱視があった場合、片方の目ばかりを使おうとするため、視力の発達に差が生じ、不同視を引き起こすことがあります。さらに、加齢に伴い、白内障などの目の病気が原因で、後天的に不同視になるケースも少なくありません。不同視は、視力に差があるだけでなく、物が二重に見えたり、頭痛や肩こり、眼精疲労を引き起こす可能性もあります。そのため、早期に発見し、適切な治療や矯正を行うことが大切です。