視野

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視野の暗点:その原因と影響について

私たちは、普段は意識していませんが、広い範囲のものを見渡すことができます。この見渡せる範囲のことを「視野」と呼びます。視野は、ちょうどカメラのレンズを通して見える範囲のようなもので、私たちがものを見たり、周りの状況を把握したりするためにとても重要な役割を担っています。 しかし、様々な原因によって、この視野に異常が生じることがあります。視野異常にはいくつかのパターンがあり、視野全体が狭くなってしまう「視野狭窄」、視野の一部が暗く見えにくくなってしまう「視野沈下」、そして視野の一部が全く見えなくなってしまう「暗点」などがあります。これらの視野異常は、緑内障や網膜剥離、脳卒中など、様々な病気が原因で起こる可能性があります。そのため、視野異常を感じたら、自己判断せずに、早めに眼科を受診することが大切です。 眼科では、視野検査などを行い、視野異常の原因や種類を詳しく調べます。そして、その検査結果に基づいて、適切な治療を行います。視野異常は、日常生活に支障をきたすだけでなく、放置すると失明につながる可能性もあるため、早期発見・早期治療が非常に重要です。
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視野検査でわかること:量的視野とは?

私たちの目は、外界の情報を得るための大切な感覚器官であり、光を感知することで周りの景色を認識しています。視界の広がりである視野は、視力と同じくらい重要な機能です。視力検査で視線の先の一点が見えやすいかどうかを測定するのに対し、視野検査では一点を見つめたまま周辺視野がどれくらい確保できているかを測定します。 視野検査には大きく分けて二つの種類があります。一つは、一点を見つめたまま光を感じる範囲を調べる「静的視野検査」です。もう一つは、光の強弱に対する目の反応を調べる「動的視野検査」です。動的視野検査では、視野の感度の変化を測定することで、緑内障などの病気の早期発見に役立ちます。 動的視野検査にはいくつかの指標がありますが、今回はその中でも特に重要な「量的視野」について詳しく解説していきます。「量的視野」とは、簡単に言うと、周辺視野で光の強弱をどの程度まで感じ取れるかを数値化したものです。この値を調べることで、視神経の働きや、視野欠損の有無をより正確に評価することができます。詳細については、以降の章で順を追って説明していきます。
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視野が狭くなる病気?視野沈下について解説

- 視野が狭まる病気、視野沈下って? 視野沈下とは、見ているものの中心部分ははっきりと見えるのに、周りの部分が暗く見えにくくなってしまう病気です。例えるなら、ストローを覗き込んでいるような状態を想像してみてください。ストローの先は見えるけれど、周りの景色はよく見えませんよね?視野沈下もこれと同じように、視界の中心部は見えていても、周辺部分が欠けてしまっているように感じます。 視野が狭くなる病気としては、視野のほとんどが欠けてしまう視野欠損が広く知られていますが、視野沈下は視野欠損とは少し違います。視野欠損は、視界の一部または大部分が完全に失われてしまうのに対し、視野沈下は特定の範囲の視野が狭くなるのが特徴です。 視野沈下は緑内障などの目の病気によって引き起こされることがあります。緑内障は、眼圧と呼ばれる目の圧力のバランスが崩れることで視神経が傷つき、視力低下や視野異常を引き起こす病気です。初期の緑内障では自覚症状が現れにくいですが、病気が進行すると視野が狭まったり、欠けたりするなどの症状が現れます。 もし、視界の一部が見えにくい、暗く感じるなどの症状があれば、早めに眼科を受診して検査を受けるようにしましょう。
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視野検査:見える範囲をチェック

- 視野検査とは視野検査は、ものを見ることができる範囲(視野)を調べる検査です。視力検査とともに行われる重要な検査の一つで、眼球と脳の状態を詳しく調べることができます。視力検査では、視力表の文字がはっきりと見えるかどうかを測定しますが、視野検査では、一点を見つめたまま、周辺のどの範囲まで見えているかを調べます。中心部分だけでなく、上下左右の周辺部分まで、視野全体をくまなく確認することで、視神経や脳の異常など、様々な病気を早期発見することができます。検査は、専用の機械を使って行います。機械の中央にある一点を見つめながら、周辺に見える光を感じたらボタンを押すという簡単な操作を繰り返します。光の見え方は、点滅するものや移動するものなど様々で、検査によって使い分けられます。視野検査は、緑内障などの目の病気だけでなく、脳腫瘍や脳梗塞などの脳の病気の発見にも役立ちます。そのため、目の症状がなくても、定期的に受けることが推奨されています。
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見えていない部分がある?視野欠損について

「視野」とは、眼球と頭を動かさずに目で捉えられる範囲のことを指します。「視野欠損」とは、その視野の一部が見えにくくなったり、全く見えなくなったりする状態を指します。通常、私たちはものを見るときに無意識に眼球を動かし、周囲の情報も認識することで、広い範囲を見渡せています。しかし、視野の一部が欠けてしまうと、視界が狭まり、日常生活に様々な支障が生じる可能性があります。 視野欠損は、大きく「視野狭窄」「視野沈下」「暗点」の3つの種類に分類されます。「視野狭窄」は、視野全体が狭くなる状態を指します。例えるなら、広いトンネルの中を歩いているように、周囲が暗く狭まっているように感じます。「視野沈下」は、視野の上半分、あるいは下半分が見えなくなる状態です。階段の上り下りの際に段差が見えづらくなったり、足元にある物につまずきやすくなったりする危険があります。「暗点」は、視野の中の特定の部分が見えなくなる状態です。症状が軽い場合は自覚症状がない場合もありますが、進行すると視力が低下したように感じることがあります。 視野欠損の原因は様々ですが、緑内障、網膜剥離、脳梗塞、脳腫瘍などが挙げられます。視野欠損は、放置すると失明に繋がる可能性もあるため、早期発見・早期治療が非常に重要です。
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見え方の異変、それは視野狭窄かも?

「視野」とは、顔を動かさない状態で目を開けて見える範囲のことを指します。通常、私たちは広い範囲を見渡せますが、この見える範囲が狭くなってしまう状態を「視野狭窄」と呼びます。例えるなら、普段は広々とした場所に立って周囲を見渡せるのに対し、視野狭窄になると、まるで円筒の中を覗いているかのように見える範囲が制限されてしまうイメージです。 視野狭窄は、片方の目にだけ生じる場合と、両方の目に同時に起こる場合があります。その程度も、軽いものから重度のものまで様々です。視野が狭くなる原因は様々で、緑内障や網膜色素変性症、脳腫瘍などが挙げられます。初期段階では自覚症状が現れにくいという特徴があり、気づかないうちに進行しているケースも少なくありません。視野狭窄が進行すると、日常生活に様々な支障をきたすようになります。例えば、人とぶつかりやすくなったり、段差につまずきやすくなったり、自動車の運転が困難になるなど、生活の質を著しく低下させる可能性があります。そのため、早期発見・早期治療が非常に重要になります。もしも、視野が狭くなったと感じたり、視界の一部が見えにくくなったりするなどの症状が現れた場合には、放置せずに、速やかに眼科を受診しましょう。
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大切な視界を守るために:視野について

- 視野とは視野とは、頭を動かさずに目だけを動かせる範囲の広さを指します。 例えば、一点を見つめたままでも、その周りの景色や動きを知覚できますが、これは視野のおかげです。よく「視力」と混同されがちですが、両者は全く異なるものです。視力は、目の前で静止した小さな文字をどれだけ正確に見分けられるかを示す指標ですが、視野は、空間全体をどれくらい認識できるかを示す指標 と言えます。例えば、遠くにある小さな文字が見えにくい人でも、視野が広い人であれば、周囲の状況変化を素早く察知し、安全に動くことができるでしょう。逆に、視力が良くても視野が狭いと、周囲の状況を把握するのが難しく、危険を察知するのが遅れてしまう可能性があります。視野は、私たちの日常生活において非常に重要な役割を担っています。安全な歩行や自動車の運転、スポーツなど、周囲の状況を瞬時に判断しなければならない場面では、特に広い視野が求められます。 また、人とコミュニケーションを取る際にも、相手の表情や仕草を認識することで、円滑なコミュニケーションに繋がります。このように、視野は私たちの生活において、安全確保、円滑なコミュニケーション、そして質の高い生活を送る上で欠かせない要素の一つと言えるでしょう。
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視野に潜む影:ブエルム暗点とは

目の奥には、カメラのフィルムのような役割をする網膜という組織があり、ここで受け取った光の情報が脳に伝えられることで、私たちはものを見ることができます。網膜で受け取った情報を脳に伝える役割を担うのが視神経です。緑内障は、この視神経に障害が起こることで、視野が徐々に狭くなっていく病気です。 緑内障は初期の段階では自覚症状が現れにくいため、病気がかなり進行するまで気づかないケースも少なくありません。視野が狭くなる以外にも、物が歪んで見えたり、かすんで見えたりすることもあります。また、目の痛みや頭痛、吐き気などの症状を伴う場合もあります。 緑内障は、一度失われた視神経や視野は二度と回復しない病気です。そのため、早期発見・早期治療が非常に重要となります。早期に発見し、適切な治療を受けることで、病気の進行を遅らせ、大切な視機能を守ることができます。 緑内障は、40歳以上の年代で20人に1人が発症するといわれている、決して珍しい病気ではありません。定期的な眼科検診を受診し、目の健康状態を常に把握しておくことが大切です。
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視野検査:見える範囲をチェック

- 視野検査とは 視野検査は、文字通り、私たちの目がどれだけの範囲を見渡せるかを調べる検査です。 ただ単に見える範囲だけでなく、その範囲全体で光を感じ取れるか、形を認識できるかといった、視覚の感度についても評価します。 検査は、専用の機械を使って行います。機械の中央に光る点が表示されるので、そこを見つめたまま、周囲に現れる光や図形を認識できた時にボタンを押します。 この検査によって、視力検査だけでは分からない、目の中の状態や視神経の働きを詳しく知ることができます。 例えば、緑内障という病気は、初期段階では自覚症状がほとんどありませんが、視野検査を行うことで早期発見が可能になります。また、脳卒中など、脳の病気によって視野が狭くなる場合もあるため、診断の助けにもなります。 このように、視野検査は、様々な目の病気の早期発見や診断に非常に役立つ検査と言えるでしょう。
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視界の半分が見えない?半盲について解説

- 半盲とは半盲とは、見ている範囲の半分が見えなくなる視覚の障害を指します。 右目と左目、どちらかで半分が見えなくなるのではなく、左右どちらの目でも、見える範囲の右側半分あるいは左側半分が見えなくなってしまう状態です。私たちの目は二つありますが、それぞれで見た景色が脳に別々に送られているわけではありません。 目から入った視覚情報は、視神経を通って脳の後方にある視覚野という部分に送られます。 この時、左右の目の視神経は途中で一部交差するため、右目と左目から入った情報は脳内で統合されて一つの景色として認識されます。そのため、たとえ片方の目に異常がなくとも、脳内の視覚情報を処理する経路の途中で障害が起こると半盲の症状が現れることがあります。 例えば、脳卒中などで脳の血管が詰まったり破れたりすると、その影響で視覚野を含む脳の一部の領域が損傷を受け、半盲が起きることがあります。 また、脳腫瘍が視神経を圧迫することなども原因として考えられます。半盲には、左右どちらの目でも右側の視野が見えなくなる「右半盲」と、左右どちらの目でも左側の視野が見えなくなる「左半盲」の二つがあります。 どちらの半盲になるかは、脳のどの部分が損傷を受けたかによって異なります。
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視野検査:見える範囲をチェック

- 視野検査とは視野検査は、眼科で行われる一般的な検査の一つです。この検査では、文字通り私たちの「視野」、つまり目を開けて見える範囲が正常かどうかを調べます。検査を受ける際は、あごを台に固定し、片目を閉じて正面の光を見つめます。そして、周囲から様々な方向に光が移動するので、その光が見えた瞬間にボタンを押して合図します。この動作を繰り返すことで、視野の広がりや、視野のどこかに見えにくい部分がないかなどを調べることができるのです。視野検査は、視野全体を測定する「静的視野検査」と、動く光に対する感度を調べる「動的視野検査」の二つに分けられます。静的視野検査では、光を感じる最小の明るさを測定することで、視野全体の感度を詳しく調べることができます。一方、動的視野検査では、動く光の速さや大きさを変えることで、視野の変化に対する目の反応を調べます。視野検査は、緑内障などの目の病気を早期発見するために非常に役立ちます。緑内障は、視野が徐々に狭くなっていく病気ですが、初期には自覚症状がないことが多いため、視野検査によって早期発見・治療することが重要です。また、脳の病気によって視野に異常が出る場合もあるため、視野検査は総合的な健康状態を知る上でも役立つ検査と言えるでしょう。
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視野の半分が欠けてしまう病気: 同名半盲

私たちは、二つの目を使うことで、周囲の状況を立体的に、そして広い範囲で見渡すことができます。この広い範囲で物を見る能力を「視野」と呼びます。視野は、両方の目で見ている範囲を合わせたもので、左右それぞれ約90度、上下は約135度の範囲があります。しかし、脳の病気や怪我などによって、この視野の一部または全部が見えなくなってしまうことがあります。このような状態を「視野障害」と呼びます。 視野障害には様々な種類がありますが、その中でも左右どちらかの視野の半分が欠けてしまう症状を「半盲」と呼びます。例えば、右目の右半分、左目の左半分が見えなくなるといったように、左右同じ側が見えなくなるのが特徴です。半盲の原因となる病気には、脳梗塞や脳出血などの脳血管障害、脳腫瘍、頭部外傷などがあります。これらの病気によって、視神経や脳の視覚中枢に障害が起こることで、視野が欠けてしまうのです。半盲になると、日常生活で様々な支障が出てきます。例えば、人とすれ違う際にぶつかりやすくなったり、段差に気づかずに転倒したりする危険性があります。また、読書やテレビ視聴なども困難になることがあります。 半盲は、早期発見・早期治療が非常に重要です。もし、視野が狭くなった、物が二重に見える、視界の中心が見えにくいなど、目の異常を感じたら、すぐに眼科を受診しましょう。適切な治療を受けることで、症状の進行を抑えたり、視機能の回復を目指すことができます。
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視野が狭くなる病気:管状視野

- 管状視野とは管状視野とは、例えるなら、ストローの狭い穴から周囲を見ているような状態を指します。 視野の中心部分は比較的はっきりと見えているのですが、その周囲の視野が著しく狭くなってしまうのが特徴です。そのため、視界はまるでトンネルの中を覗いているかのように感じられ、視野の範囲は極端に狭まります。 管状視野は、網膜色素変性症や網膜剥離、緑内障といった様々な目の病気が原因で起こることがあります。これらの病気によって、視野の周辺を担当する網膜に障害が起こり、視覚情報が脳にうまく伝わらなくなることで、管状視野が生じます。管状視野になると、日常生活において様々な困難が伴います。例えば、歩行中に周囲の人や物に気付かずぶつかってしまったり、段差を見落とすことで転倒の危険性が高まったりします。また、自動車の運転や自転車の走行も困難になりますし、読書やテレビ鑑賞など、視覚情報に頼る活動にも支障をきたします。 管状視野は、失明に至る可能性もある病気のサインである場合もあります。少しでも視野が狭くなったと感じたら、早めに眼科を受診し、適切な検査と治療を受けるようにしましょう。
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視界の中心部 – 中心視野とは

私たちが普段、物を見たり景色を楽しんだりするとき、意識していなくても自然と視線を向ける部分があります。これが中心視野と呼ばれる領域です。中心視野は、例えるならば、目のレンズが捉えた映像を映し出すスクリーンがあるとすれば、その中心に位置するごく狭い範囲です。 この中心視野は、視界全体から見ればほんの一部分に過ぎませんが、視覚において非常に重要な役割を担っています。なぜなら、中心視野は視界の中でも特に視力が高く、色の識別能力にも優れているからです。例えば、細かい文字を読んだり、複雑な図形を識別したり、人の表情を読み取ったりする際に、私たちはこの中心視野を無意識に活用しています。 中心視野の働きを、舞台に設置されたスポットライトに例えることができます。広い舞台全体をぼんやりと照らす光がある中で、スポットライトは舞台の中央の一点を強く明るく照らし出します。中心視野は、視界という舞台において、このスポットライトのような役割を果たしているのです。周囲よりもはっきりと対象を捉えることで、私たちが世界を正しく認識することを助けているのです。