目の専門家

目の病気

見えない不安と向き合う:緑内障の世界

- 緑内障とは?緑内障は、眼球の奥にある視神経が障害されることで、視野(見える範囲)が狭くなったり、欠けたりする病気です。視神経は、カメラに例えると、レンズを通って入ってきた光を脳に伝達するフィルムのような役割を担っています。この視神経が、眼圧などの影響を受けて傷つくと、脳に情報が正しく伝わらなくなり、視覚に影響が出てしまいます。緑内障の怖いところは、初期段階では自覚症状がほとんどないことです。そのため、気づかないうちに病気が進行し、視野が狭くなってしまうケースが多く見られます。視野が狭くなるということは、例えるなら、周りの景色がだんだん暗くなっていくようなものです。最初は、ほんの少し暗く感じる程度かもしれませんが、進行するにつれて、視野の中心がぼやけたり、物が歪んで見えたりすることもあります。さらに悪化すると、日常生活に支障をきたすようになり、最悪の場合、失明に至る可能性もあります。緑内障は早期発見・早期治療が非常に重要です。そのため、定期的な眼科検診を受けるように心がけましょう。
視力

両眼で視るということ:両眼視力の重要性

- 両眼視力とは私たちが普段、ものを見るとき、左右両方の目はそれぞれ別の角度から対象物を捉えています。そして、脳はそれぞれの目から送られてくるわずかに異なる二つの映像を一つに統合し、奥行きや立体感、距離感を認識しています。このように、両方の目を使うことで得られる視覚機能のことを「両眼視力」と呼びます。両眼視力は、単に両目の視力値の合計を指すのではありません。たとえ左右の目がそれぞれ良く見えていたとしても、両方の目でうまく情報処理ができず、立体的にものを見ることができない場合もあります。両眼視力は、スポーツや自動車の運転、精密作業など、日常生活のあらゆる場面で重要な役割を果たしています。例えば、ボールを正確にキャッチするためには、ボールまでの距離や速度、移動する方向を立体的に把握する必要があり、このときに両眼視力が大きく関わってきます。また、車の運転では、車間距離や他の車との位置関係を正しく把握するために両眼視力が欠かせません。このように、両眼視力は私たちが安全かつ快適に日常生活を送る上で非常に重要な機能と言えるでしょう。
その他

眼科における症例数の考え方

眼科で診察を受けると、診断書などに「症例数」という言葉が使われているのを目にすることがあるかもしれません。これは、眼科医療ならではの考え方で、治療を受けた患者さんの人数ではなく、治療を行った眼の数を表しているのです。 なぜこのような表現を使うのでしょうか?それは、眼の治療は、多くの場合、左右の眼に対してそれぞれ独立して行われるためです。例えば、ある患者さんが右目は白内障、左目は緑内障と診断されたとします。この場合、患者さんは1人ですが、それぞれの目に異なる治療が必要になります。このような場合、患者さんの数をそのまま治療数としてしまうと、実際の治療の状況を正しく反映できません。 そこで、眼科では「症例数」を用いることで、より正確に治療の状況を把握しているのです。先ほどの例で言えば、患者さんは1人ですが、症例数としては白内障と緑内障で2例とカウントされます。このように、症例数は、眼科医療において、患者さん一人ひとりの状態をより詳しく把握し、適切な治療を提供するために欠かせない指標と言えるでしょう。
目の病気

感染力に注意!流行性角結膜炎

- 流行性角結膜炎とは流行性角結膜炎は、アデノウイルスというウイルスによって引き起こされる、人から人へとうつりやすい目の病気です。一般的には「はやり目」として広く知られており、毎年多くの人が感染しています。この病気は、感染した人の涙や目やにに含まれるウイルスが、別の人の目に直接、あるいは間接的に接触することによって感染します。 例えば、感染した人が触れたタオルやドアノブ、電車のつり革などを介してウイルスが手に付着し、その手で自分の目を触ってしまうことで感染することがあります。また、プールで感染するケースも見られます。症状としては、目のかゆみや痛み、充血、まぶしさ、涙が出る、目やにが出るなどがあります。症状が重い場合には、視力が低下することもあります。さらに、耳の前やあごの下のリンパ節が腫れることもあります。流行性角結膜炎は、その強い感染力から、学校や職場、家庭内などで集団感染を引き起こす可能性があります。感染を防ぐためには、こまめな手洗いとうがいの励行が非常に重要です。特に、外出後や食事前、トイレの後などは必ず手を洗いましょう。また、タオルの共用は避け、目やにや涙で汚れた場合はすぐに新しいものに交換することが大切です。症状が出た場合は、早めに眼科を受診して適切な治療を受けるようにしましょう。
目の老化

老眼と上手に付き合うには?

- 老眼とは?目はカメラとよく似た仕組みで物を見ています。カメラのレンズの役割を果たすのが、目の奥にある水晶体です。遠くを見るときには水晶体は薄く、近くを見るときには厚くなることで、ピントを調節しています。この水晶体の厚さ調節の役割を担っているのが、水晶体を取り囲む毛様体筋という筋肉です。若い頃は毛様体筋の働きも良く、水晶体の厚さを柔軟に変化させることができるため、近くのものを見てもすぐにピントを合わせることができます。しかし、歳を重ねるにつれて、この毛様体筋の働きが衰え、水晶体の弾力性も低下していきます。そのため、近くのものを見たときに水晶体を十分に厚くすることができなくなり、ピントが合わなくなってしまいます。これが老眼です。老眼は誰にでも起こる加齢現象の一つで、一般的には40歳頃から症状が現れ始めると言われています。老眼は病気ではありませんが、日常生活で不便を感じることも多いため、早めに眼科を受診し、適切な対策をとることが大切です。
視力改善方法

老眼治療手術の選択肢

- 老眼とは人間の目は、水晶体と呼ばれるレンズの厚さを調節することで、近くのものを見たり遠くのものを見たりすることができます。若い頃は水晶体が柔らかく、この調節機能がスムーズに働くため、近くのものを見ようとすると瞬時に水晶体の厚みを変え、はっきりと見ることができます。しかし、年齢を重ねると、水晶体は徐々に硬くなり、厚みを変える力も弱まってしまいます。その結果、近くのものにピントを合わせにくくなり、ぼやけて見えるようになるのです。これが老眼と呼ばれる状態で、一般的には40歳頃から自覚する人が増え始めます。老眼の症状としては、近くのものを見るときに見えづらい、目が疲れる、肩こり、頭痛などが挙げられます。これらの症状を感じ始めたら、我慢せずに眼科を受診しましょう。老眼の進行を遅らせることはできませんが、老眼鏡や遠近両用眼鏡を使用することで、快適な視生活を送ることができます。老眼は誰にでも起こりうる、自然な老化現象の一つです。見え方に違和感を感じたら、早めに眼科医に相談し、適切な対処を心がけましょう。
目の病気

見逃さないで!症候性眼精疲労のサイン

目の疲れを感じると、多くの人は「眼精疲労かな?」と思うかもしれません。眼精疲労は、大きく分けて二つの種類に分けられます。一つ目は「機能性眼精疲労」と呼ばれるもので、これは長時間のパソコン作業やスマートフォン操作、読書など、目を酷使することによって引き起こされます。現代人にとって非常に身近なものであり、多くの人が経験する眼精疲労はこのタイプに当てはまります。 一方、もう一つの「症候性眼精疲労」は、目の病気によって引き起こされる点が特徴です。例えば、近視や遠視、乱視などの屈折異常や、ドライアイ、緑内障といった病気が原因で目が疲れやすくなります。このタイプの眼精疲労は、放置すると視力低下や眼病の悪化につながる可能性もあるため注意が必要です。 どちらの眼精疲労も、目の痛みや充血、かすみ、頭痛、肩こりなどの症状が現れます。そのため、自己判断で原因を特定することは難しく、自己流のケアで改善しない場合は、眼科を受診して適切な診断と治療を受けることが大切です。
視力改善方法

乱視の方も安心!レンティスMplusXトーリック

近年、白内障手術において、濁ってしまい視界を妨げている水晶体と入れ替える人工レンズの技術革新が著しいです。様々な種類の眼内レンズが登場する中で、今回は、より鮮明な視界を追求できる多焦点眼内レンズ、「レンティスMplusXトーリック」についてご紹介します。 従来の単焦点眼内レンズは、焦点が一点に固定されているため、遠くか近くのどちらかにピントを合わせることはできても、遠近両方を同時に見ることはできませんでした。そのため、眼鏡やコンタクトレンズが必要となるケースが多く見受けられました。 一方、多焦点眼内レンズは、レンズの中に複数の焦点を持つように設計されています。「レンティスMplusXトーリック」は、遠方、中間、近方の3つの焦点を持つトリプルフォーカスレンズであり、眼鏡への依存度を大幅に減らし、日常生活をより快適に過ごすことを期待できます。 さらに、「レンティスMplusXトーリック」は、乱視を矯正する機能も備えています。乱視とは、角膜や水晶体の歪みによって、光が一点に集まらず、物がぼやけて見える状態のことです。この乱視矯正機能により、より多くの患者様にとって、裸眼でクリアな視界を得られる可能性が広がりました。 「レンティスMplusXトーリック」は、白内障手術後の視界の質にこだわる方にとって、非常に魅力的な選択肢と言えるでしょう。
目の病気

視界の歪みに潜む影、黄斑前膜

- 黄斑前膜とは私たちの目は、カメラのレンズのように光を集めて画像を結ぶ役割を担っています。その中でも、網膜はカメラのフィルムに相当する重要な部分で、光を感知して脳に信号を送ることで、私たちものを見ることができます。網膜の中心には、黄斑と呼ばれる特に重要な領域があります。黄斑は、ものの細かい部分や色を識別する役割を担っており、私たちの視力に大きく貢献しています。しかし、加齢や目の炎症などの影響によって、この黄斑部の表面に薄い膜のような組織が形成されてしまうことがあります。これが黄斑前膜と呼ばれる病気です。黄斑前膜は、まるで黄斑部に薄いカーテンがかかったような状態を引き起こし、視界に様々な影響を及ぼします。具体的には、ものが歪んで見えたり、視力が低下したりするなどの症状が現れます。また、物が二重に見えたり、色が薄く感じられることもあります。黄斑前膜は、放置すると症状が悪化し、視力に深刻な影響を及ぼす可能性があります。そのため、少しでも気になる症状が現れた場合は、早めに眼科を受診することが大切です。
角膜

リボフラビン: 角膜を守るビタミンB2

- リボフラビンとはリボフラビンは、ビタミンB2としても知られる栄養素であり、水に溶けやすい性質を持っています。私たちの体は、自力でリボフラビンを作り出すことができないため、日々の食事を通して摂取する必要があります。リボフラビンは、細胞の成長やエネルギー産生など、生命活動の維持に欠かせない様々な役割を担っています。体内に取り込まれた食べ物を、エネルギーに変換する過程において、リボフラビンは重要な役割を果たしています。また、皮膚や粘膜の健康を保つためにも必要不可欠な栄養素です。もし、体内のリボフラビンが不足してしまうと、様々な不調が現れることがあります。口の端が切れて炎症を起こす口角炎や、舌に炎症が起こり、赤く腫れたりする舌炎、目が充血したり、光をまびしく感じたりするなどの症状が現れることがあります。リボフラビンは、レバーやウナギ、牛乳、卵、納豆などの食品に多く含まれています。バランスの取れた食事を心がけることで、リボフラビンは十分に摂取することができます。しかし、偏った食生活を送っていたり、特定の病気などで吸収がうまくいかない場合は、リボフラビンが不足してしまうことがあります。そのような場合は、医師の指導のもと、サプリメントなどを利用する必要があるかもしれません。
目の病気

春季カタル:子供を悩ます目の病気

春の暖かさにつれて、花々が咲き乱れる季節。多くの人が心躍らせる一方で、毎年、目の症状に悩まされる人もいるのではないでしょうか?目のかゆみ、しょぼしょぼする感じ、異物感...。もしかしたら、それは「春季カタル」のサインかもしれません。 春季カタルは、その名の通り、春先に特に症状が現れやすい病気です。花粉症と同様に、アレルギー反応が原因で起こると考えられていますが、花粉症とは少し違います。花粉症は鼻の症状が中心なのに対し、春季カタルは目の症状が強く出ます。主な症状としては、かゆみや異物感、涙が出る、まぶたが腫れるなどがあります。 この病気は、特に免疫システムが発展途上の子供に多く見られます。しかし、大人になってから発症するケースも少なくありません。原因はまだはっきりとは解明されていませんが、ハウスダストやダニなど、花粉以外の allergens も関与している可能性も示唆されています。 つらい症状を和らげるためには、早期の診断と適切な治療が重要です。自己判断せずに、まずは眼科を受診し、医師の診断を仰ぎましょう。
視力

視力検査でおなじみ?ランドルト環について

- ランドルト環とは?視力検査を思い浮かべると、多くの人が「C」のような形をした記号を思い出すのではないでしょうか。あの記号こそ、視力検査で広く用いられる「ランドルト環」です。正式には「ランドルト氏環」と呼び、19世紀末にスイスの眼科医であるエドマンド・ランドルトによって考案されました。ランドルト環は、円の形をしており、その円周の一部に一定の幅の切れ込みが入っているのが特徴です。この切れ込みは、円の大きさに対して決まった割合で幅と長さが定められています。そして、視力検査では、この切れ込みがどの方向を向いているかを識別することで、視力を測定します。視力検査表には、大きさの異なるランドルト環が並べられています。検査を受ける人は、決められた距離からこれらの環を見つめ、切れ込みの方向を答えていきます。 正しく答えられる距離が遠くなるほど、また、正しく答えられる環が小さくなるほど、視力が高いと判定されます。ランドルト環は、そのシンプルな形状と、視力を正確に測定できるという利点から、世界中で広く採用されています。 日本でも、学校や職場での健康診断など、様々な場面で視力検査に用いられています。
眼鏡

老眼と老眼鏡:知っておきたい基礎知識

- 老眼とは老眼とは、年齢を重ねることで誰にでも起こる目の老化現象のひとつです。 カメラのレンズの役割を果たす水晶体が、加齢によって硬くなり、その機能が低下することで起こります。水晶体は、網膜と呼ばれるスクリーンに像を結ぶ役割を担っており、見る対象の距離に合わせて厚さを変えることで、常に鮮明な像を映し出すことができます。しかし、40歳前後になると水晶体は徐々に硬くなり始め、このピント調節機能が衰え始めます。 老眼の初期症状としては、近くのものを見るときにぼやけて見えたり、新聞やスマートフォンなどの文字を読む際に、いつもより目から離さないと見づらくなったりします。 また、目を凝らさないとピントが合わなかったり、長時間近くを見続けると目が疲れたり、頭痛を伴うこともあります。老眼は自然な老化現象であるため、完全に防ぐことはできません。 しかし、早期に発見し、適切な対処をすることで、快適な視生活を送ることは可能です。 老眼かな?と感じたら、眼科医を受診し、検査と適切なアドバイスを受けるようにしましょう。
視力改善方法

レンティスMplusX:その特徴と利点

- 多焦点眼内レンズとは白内障の手術を受けると、濁ってしまった水晶体の代わりに人工レンズを目に埋め込みます。この人工レンズには、単焦点眼内レンズと多焦点眼内レンズの二つの種類があります。従来から使用されている単焦点眼内レンズは、遠くのものと近くのもののどちらか一方にしかピントを合わせることができません。そのため、単焦点眼内レンズを挿入した場合は、手術後も眼鏡やコンタクトレンズが必要になるケースが多いです。一方、近年注目されている多焦点眼内レンズは、レンズの中に複数の焦点を設けることで、遠くのものと近くのものの両方にピントを合わせることができるように設計されています。つまり、多焦点眼内レンズを挿入すれば、眼鏡やコンタクトレンズへの依存度を減らし、日常生活をより快適に送ることができる可能性があるのです。ただし、多焦点眼内レンズはすべての人に適しているわけではありません。視力やライフスタイル、目の状態などによって、最適なレンズは異なります。そのため、白内障手術を検討する際には、眼科医とじっくり相談し、自分に合ったレンズを選ぶことが重要です。
目の病気

視界の中心が欠ける?黄斑円孔とは

- 黄斑円孔ってどんな病気?ものを見るために重要な役割を担う網膜の中心部「黄斑部」に、小さな穴が開いてしまう病気を黄斑円孔といいます。例えるなら、カメラで写真を撮るときに重要な役割を果たすフィルムに相当するのが網膜で、その中心にある黄斑部に穴が開いてしまう病気です。網膜は、眼球の内側を覆う薄い膜で、光を感知して脳に視覚情報を伝える役割を担っています。特に中心部に位置する黄斑部は、視力の中でも特に重要な「物の形や色、細かい文字などを見る」ために必要な部分です。そのため、黄斑部に異常が生じると、視力が低下したり、物が歪んで見えたり、視野の中心が暗く見えにくくなったりします。黄斑円孔は、加齢に伴い発症しやすくなる病気の一つです。また、近視の方や、過去に目に炎症や怪我などを経験したことがある方にも発症する可能性があります。黄斑円孔は、早期に発見し適切な治療を行うことで、視力低下の進行を抑えたり、視機能を回復させたりできる可能性があります。そのため、物が歪んで見える、視界の中心が暗く感じるなどの症状が現れた場合は、早めに眼科を受診することが大切です。
目の病気

縮瞳剤:眼圧を下げる薬

- 縮瞳剤とは? 縮瞳剤は、目の黒目の真ん中にある瞳孔を小さくする効果を持つ点眼薬です。瞳孔はカメラのレンズのように、眼球に入る光の量を調整する役割をしています。縮瞳剤を使うことで瞳孔が小さくなるため、眼球内に取り込まれる光の量が減り、まぶしさを感じにくくなります。 縮瞳剤は、眼圧を下げる効果も期待できます。眼圧とは、眼球内の圧力のことです。眼球は、常に一定の圧力がかかっていることで形を保っています。しかし、眼圧が高すぎると、視神経が圧迫されてしまい、視力に影響を及ぼす可能性があります。緑内障は、この視神経が障害されることで視野が狭くなったり、視力が低下したりする病気です。 縮瞳剤は、緑内障の治療にも用いられます。縮瞳剤を使用することで、瞳孔が小さくなり、眼球内の房水と呼ばれる液体の排出が促進されます。すると、眼圧が下がり、緑内障の進行を抑制する効果が期待できます。ただし、縮瞳剤は一時的に視界がぼやけたり、暗くなったりする副作用が現れる場合があります。また、点眼時にしみにくいタイプの縮瞳剤もあります。医師の指示に従って、適切に使用することが大切です。
乱視

乱視ってどんな状態?

- 乱視とは乱視とは、視界がぼやけたり、ものが二重に見えたりする症状です。遠くのものだけでなく、近くのものをはっきり見ることが難しく、常に視界がかすんで見えることもあります。 この症状は、眼球の形状に起因します。 通常、眼球は丸い形をしていますが、乱視の場合、眼球の形がラグビーボールのように歪んでいるため、光が眼球内で正しく屈折しません。 その結果、光が網膜の一点に集まらず、ぼやけた像として認識されてしまうのです。 例えるなら、カメラのレンズが歪んでいる状態です。 レンズが歪んでいると、写真全体がぼやけてしまいますよね。 乱視もこれと同じように、眼球というレンズが歪んでいるため、視界がクリアではなくなってしまうのです。乱視は、眼鏡やコンタクトレンズを使用することで矯正が可能です。 これらの矯正器具は、眼球の歪みを補正し、光を網膜上に正しく集める役割を果たします。 もし、視界のぼやけや疲れ目を感じたら、眼科を受診して、乱視の検査を受けることをお勧めします。
目の老化

老眼ってどんな病気?

- 老眼とは年齢を重ねると、誰もが経験する可能性のある目の老化現象に「老眼」があります。これは、近くのものを見るときに、ぼやけて見えづらくなってしまう状態を指します。遠くの景色は問題なく見えるのに、新聞の文字やスマートフォンの画面などが読みづらくなったら、老眼が始まっているサインかもしれません。老眼の主な原因は、目の奥にある水晶体の変化にあります。水晶体は、カメラのレンズのような役割を果たし、光を集めて網膜に像を結び、ものを見えるようにしています。若い頃は、この水晶体が柔軟で、厚さを変えることで、近くのものを見たり、遠くのものを見たりと、ピントを合わせる調節機能がスムーズに働いています。しかし、40代を過ぎた頃から、水晶体は徐々に硬くなり、厚さを変える力も衰えていきます。そのため、近くの物にピントを合わせることが難しくなり、老眼の症状が現れるようになります。老眼は誰にでも起こる目の老化現象であり、特別な病気ではありません。しかし、自覚症状がないまま放置すると、眼精疲労や頭痛、肩こりなどを引き起こす可能性もあります。そのため、老眼かな?と感じたら、早めに眼科を受診し、適切な対処をすることが大切です。
眼鏡

レンズメーター:眼鏡・コンタクトレンズの度数を測る機械

- レンズメーターとはレンズメーターは、眼鏡やコンタクトレンズの度数を測定するために使用される医療機器です。別名、レンズ計、フォロプター、レフラクトメーターとも呼ばれ、眼鏡店や眼科で新しい眼鏡やコンタクトレンズを作る際に、必ずと言っていいほど使用されます。レンズメーターは、レンズを通過する光の屈折を利用して度数を測定します。測定したいレンズをセットすると、レンズメーター内部の光源から光がレンズを通って進みます。そして、その光の焦点位置や角度を分析することで、レンズの度数が分かります。レンズメーターで測定できる項目は、大きく分けて「球面度数」「円柱度数」「円柱軸」の3つです。球面度数は、レンズの全体的な屈折力を表し、近視や遠視の度数を測る際に使用します。円柱度数は、乱視の度合いを示し、円柱軸は乱視の方向を示します。これらの値を組み合わせて、一人ひとりに合った最適なレンズを作製することができます。近年では、従来のレンズメーターに加えて、オートレフラクトメーターと呼ばれる自動で測定を行う機器も普及しています。オートレフラクトメーターは、測定者の熟練度に関わらず安定した測定結果を得られることがメリットです。しかし、あくまでも目安となる度数を測定するための機器であり、最終的にはレンズメーターで微調整を行うことが一般的です。レンズメーターは、眼鏡やコンタクトレンズの作製に欠かせない重要な機器と言えるでしょう。
目の病気

まぶたにできる黄色いしこり?黄色板症について解説

皆さんは、朝起きて鏡を見たとき、まぶたに黄色っぽいしこりを見つけたことはありませんか? まぶたにできる黄色っぽいしこりのことを「黄色板症」といい、見た目に気になる方も多いかもしれません。今回は、この黄色板症について詳しく解説していきます。 黄色板症は、皮膚の下にコレステロールが蓄積することで発生します。主に、まぶたの上や下に現れやすく、黄色っぽく、少し隆起した、やわらかいしこりが特徴です。通常、痛みやかゆみなどの症状はありませんが、まれに大きくなってしまうこともあります。 黄色板症は、基本的に治療の必要はありません。しかし、見た目が気になる場合は、手術で取り除くことも可能です。手術は、局所麻酔で行われ、比較的簡単な処置で済みます。 ただし、自己判断で潰したり、刺激したりすることは避けましょう。皮膚に傷がつき、細菌感染を起こす可能性があります。気になる症状がある場合は、眼科を受診し、医師の診断を受けるようにしてください。
目の構造

瞳の不思議:縮瞳の仕組み

- 縮瞳とは?私たちの眼球の中央には、光を取り込むための黒い部分があります。ここを瞳孔と呼びますが、この瞳孔は周囲の明るさに応じて大きさを変え、眼球に入る光の量を調節しています。 カメラの絞りのような役割を担っていると言えます。明るい場所に移動すると、まぶしさを感じることがありますよね。これは、眼球に過剰な光が入ってくるために起こります。このような時、瞳孔は反射的に小さくなります。これが縮瞳と呼ばれる現象です。 縮瞳によって、眼球に入る光の量が減少し、まぶしさを軽減することができます。反対に、暗い場所では、十分な光を確保するために瞳孔は大きくなります。これを散瞳と言います。縮瞳と散瞳は、どちらも無意識下で行われる反射的な反応で、私たちが快適にものを見るために欠かせない機能です。 この機能は、自律神経系によってコントロールされています。縮瞳は、目の病気や怪我、薬の影響などによって引き起こされることもあります。 もし、片方の瞳孔だけが縮瞳している場合や、縮瞳が続く場合には、眼科を受診して原因を調べてもらうことが大切です。
目の病気

涙道狭窄:涙があふれる病気

- 涙道狭窄とは涙は、目の表面を潤したり、ゴミや細菌を洗い流したりする大切な役割を担っています。この涙は、通常、目頭にある涙点という小さな穴から涙道を通って鼻へと流れていきます。しかし、何らかの原因でこの涙の通り道である涙道が狭くなってしまうことがあります。これが涙道狭窄です。涙道狭窄が起こると、涙がスムーズに鼻へ流れなくなり、目に溜まってしまうため、さまざまな症状が現れます。代表的な症状としては、涙目や目やになどが挙げられます。涙が溜まりやすいことから、細菌が繁殖しやすく、結膜炎などの目の炎症を引き起こす可能性も高くなります。また、重症化すると、涙嚢(るいのう)と呼ばれる涙を貯めておく袋に炎症が起こり、涙嚢炎を引き起こすこともあります。涙嚢炎になると、目頭が腫れたり、痛みが出たり、場合によっては膿が溜まることもあります。涙道狭窄の原因はさまざまですが、生まれつき涙道が狭い先天性のものと、後天的に狭窄が起こる後天性のものがあります。先天性の涙道狭窄は、主に赤ちゃんに見られ、多くは成長とともに自然に治っていきます。一方、後天性の涙道狭窄は、加齢による変化や、炎症、外傷、腫瘍などが原因で起こることがあります。涙道狭窄の治療法は、症状や原因、年齢などによって異なります。軽症の場合は、点眼薬やマッサージなどで様子を見ることもありますが、狭窄がひどい場合や、症状が改善しない場合は、手術が必要となることもあります。
レーシック

レーシックだけじゃない!視力回復手術:LASEK

視力を回復させる手術として、広く知られているのは「レーシック」ですが、視力回復手術には、実は様々な方法があります。その一つに「LASEK(ラセック)」と呼ばれる手術があります。レーシックと名前が似ていますが、角膜に薄い蓋を作る部分に違いがあります。 レーシックはマイクロケラトームという専用の器具やレーザーを用いて、角膜の実質部分にフラップと呼ばれる蓋を作ります。一方、ラセックはエキシマレーザーよりも弱いレーザーやアルコールを使用して、角膜の一番外側にある上皮のみを薄くめくり、フラップを作ります。 ラセックはレーシックに比べて、角膜を深く削る必要がないため、角膜が薄い方や強度近視の方に向いていると言われています。また、フラップを作る深さが浅いため、レーシックに比べて術後の痛みが強い場合がありますが、合併症のリスクが低いというメリットもあります。 視力回復手術は、それぞれに特徴やメリット、デメリットがあります。自分にとって最適な手術方法を選択するためには、医師とよく相談することが大切です。
レーシック

レーザー白内障手術を進化させるLenSxとは

目は、カメラに例えられることがよくあります。カメラのレンズに当たる部分が、水晶体と呼ばれる組織です。水晶体は、本来透明で、光を屈折させて網膜に像を結ぶ役割を担っています。しかし、加齢などによって水晶体が白く濁ってしまう病気があり、これが白内障です。白内障になると、視界がかすんだり、光がまぶしく感じたりするなどの症状が現れます。 白内障が進行し、日常生活に支障が出るようになると、手術が必要となります。白内障手術は、濁ってしまった水晶体を取り除き、代わりに人工のレンズを挿入する手術です。従来の手術では、メスを用いて切開や水晶体の囊を切開するなどの操作を行っていました。 近年、この白内障手術において、レーザーを用いた治療法が普及してきています。レーザーを用いることで、従来の手術に比べて、より精密で安全な手術が可能となりました。具体的には、レーザーは水晶体の囊を円形に正確に切開したり、水晶体を細かく砕いたりする際に使用されます。レーザーによる治療は、患者さんにとって負担が少なく、術後の回復も早いといった利点があります。そのため、白内障手術におけるレーザー治療は、患者さんの負担軽減や、より安全で正確な手術の実現に貢献すると期待されています。