矯正が難しい?不正乱視について解説

矯正が難しい?不正乱視について解説

眼のことを教えて

先生、『不正乱視』ってどういう意味ですか?普通の乱視と何が違うんですか?

眼の研究家

良い質問ですね。『不正乱視』は、角膜や水晶体といった目の表面が、均一な丸みではなく、デコボコになっている状態を指します。 普通の乱視は、ラグビーボールのような楕円形なのに対して、不正乱視はもっと複雑な形をしているため、眼鏡やソフトコンタクトレンズでは矯正が難しいんです。

眼のことを教えて

複雑な形なんですね!じゃあ、どうすれば矯正できるんですか?

眼の研究家

不正乱視を矯正するには、ハードコンタクトレンズが良いでしょう。ハードコンタクトレンズは形がしっかりしているので、デコボコした表面をカバーして、光の屈折を正しくしてくれます。ただし、場合によっては手術が必要になることもあります。

不正乱視とは。

「不正乱視」は、円錐角膜などが原因で起こる目の病気です。 この病気では、視力が低下し、眼鏡やソフトコンタクトレンズでは視力矯正ができません。 しかし、ハードコンタクトレンズである程度の視力矯正が可能です。 また、レーシック、ICL、白内障手術で埋め込む眼内レンズでも視力矯正はできません。

不正乱視とは

不正乱視とは

– 不正乱視とは私たちの目は、カメラのレンズのように、眼球の表面で光を屈折させて、網膜と呼ばれるスクリーンに像を結んでいます。このレンズの役割を果たすのが、角膜や水晶体です。これらの形が均一であれば、光は一点に集まり、クリアな視界が得られます。しかし、角膜や水晶体の表面に凹凸があったり、形が歪んでいたりすると、光は正しく屈折せず、網膜に一点で像を結ぶことができなくなります。その結果、物が歪んで見えたり、ぼやけて見えたり、二重に見えたりする症状が現れます。これが乱視です。乱視には、大きく分けて正乱視と不正乱視の二つがあります。角膜の形がラグビーボールのように楕円形になっている状態が正乱視で、眼鏡やソフトコンタクトレンズで矯正が可能です。一方、不正乱視は、角膜表面の傷や病気、手術後遺症などによって、角膜の形が複雑に乱れている状態を指します。原因は様々で、円円錐角膜や角膜移植後の乱視などが挙げられます。不正乱視は、正乱視のように単純なレンズでは矯正が難しく、ハードコンタクトレンズや特殊な眼鏡を用いるなど、それぞれの状態に合わせた治療が必要となります。

項目 説明
乱視とは 角膜や水晶体の形状異常によって、光が一点に集まらず、物が歪んで見えたり、ぼやけたり、二重に見えたりする状態。
正乱視 角膜の形がラグビーボール状に楕円形になっている状態。眼鏡やソフトコンタクトレンズで矯正が可能。
不正乱視 角膜表面の傷や病気、手術後遺症などにより、角膜の形が複雑に乱れている状態。矯正は難しく、ハードコンタクトレンズや特殊な眼鏡などが必要。

不正乱視の原因

不正乱視の原因

– 不正乱視の原因不正乱視は、眼の表面にある角膜や、その奥にある水晶体に変形が生じることで、光が眼の中で正しく焦点を結ばなくなる状態を指します。この不正乱視を引き起こす原因は様々ですが、大きく分けて先天的なものと後天的なものがあります。先天的な原因として最も多いのは、円錐角膜と呼ばれる病気です。これは、思春期頃に発症することが多く、角膜を支える組織が弱くなることで、角膜が徐々に薄くなり、円錐形に突出してしまう病気です。後天的な原因としては、角膜の病気やケガが挙げられます。例えば、角膜に炎症を起こす角膜感染症を患った後に、角膜に歪みが残ってしまうことがあります。また、眼をぶつけたり、傷つけたりするなどの外傷によっても、角膜が変形し、不正乱視を引き起こすことがあります。さらに、白内障の手術など、眼の手術を受けた後に、合併症として不正乱視が生じるケースもあります。加齢も不正乱視の原因の一つです。年齢を重ねるにつれて、眼の組織は変化し、水晶体が弾力を失ったり、角膜の形状が変化したりすることで、不正乱視が生じることがあります。不正乱視は、物が歪んで見えたり、ぼやけて見えたりするなどの症状が現れます。原因や症状の程度によって適切な治療法が異なるため、眼科医の診察を受けることが大切です。

原因の種類 詳細
先天的な原因 – 円錐角膜:思春期頃に発症することが多く、角膜を支える組織が弱くなることで、角膜が徐々に薄くなり、円錐形に突出してしまう病気。
後天的な原因 – 角膜の病気やケガ:角膜感染症などにより角膜に歪みが残ったり、外傷によって角膜が変形したりすることで起こる。
– 眼の手術後の合併症:白内障の手術後などに生じることがある。
– 加齢:加齢に伴う眼の組織の変化(水晶体の弾力低下、角膜の形状変化など)によって起こる。

不正乱視の症状

不正乱視の症状

不正乱視の症状

不正乱視は、眼に入った光が一点に集まらず、網膜上にきれいな像を結ぶことができないために起こる視覚の異常です。この状態では、視界の歪み、ぼやけ、ものが二重に見えるなどの症状が現れます。

不正乱視の特徴は、視界全体が均一ではなく、場所によって見え方が異なる点にあります。これは、角膜や水晶体など、眼の屈折に関わる部分が均一なカーブを描いていないために起こります。

通常の乱視(正乱視)では、特定の方向の線が見えにくいといった症状が現れますが、不正乱視では、視界全体が歪んで見えるため、より見え方に影響が出ることがあります。

また、暗い場所や夜間では、瞳孔が大きくなることで、より多くの光が眼に入ってくるため、症状が強く感じられることがあります。

さらに、不正乱視は、視力低下や眼精疲労の原因となることもあります。眼は、常にクリアな視界を得ようとしてピントを調整しているため、不正乱視の状態が続くと、眼に大きな負担がかかってしまうのです。

もし、視界の歪みや見えにくさを感じたら、早めに眼科を受診し、適切な検査を受けるようにしましょう。

症状 説明
視界の歪み、ぼやけ 眼に入った光が一点に集まらず、網膜上にきれいな像を結ぶことができないために起こります。
ものが二重に見える 視界全体が均一ではなく、場所によって見え方が異なるために起こります。
特定の方向の線が見えにくい 通常の乱視(正乱視)でみられる症状ですが、不正乱視でも起こることがあります。
暗い場所や夜間で見えにくい 瞳孔が大きくなることで、より多くの光が眼に入ってくるため、症状が強く感じられます。
視力低下 眼は、常にクリアな視界を得ようとしてピントを調整しているため、不正乱視の状態が続くと、眼に大きな負担がかかります。
眼精疲労 視力低下と同様の原因で起こります。

不正乱視の治療法

不正乱視の治療法

– 不正乱視の治療法について不正乱視は、角膜や水晶体の歪みなどによって、光が一点に集まらず、物がぼやけて見える状態を指します。治療法は、その原因や程度によって異なり、患者さん一人ひとりに最適な方法を選択することが重要です。一般的な治療法としては、眼鏡やコンタクトレンズによる視力矯正が挙げられます。 しかし、不正乱視の場合、角膜の歪み方が複雑なため、眼鏡やソフトコンタクトレンズでは、完全に矯正することは難しく、効果が限定的となることがあります。より効果的な治療法として、ハードコンタクトレンズが用いられることがあります。 ハードコンタクトレンズは、角膜の表面に涙のレンズを作ることで、不正な形状を補正し、視力を矯正します。そのため、眼鏡やソフトコンタクトレンズでは十分な効果が得られない場合でも、良好な視力を得られる可能性があります。ただし、ハードコンタクトレンズは、ソフトコンタクトレンズに比べて、装用感に慣れるまで時間がかかることや、異物感があるため、すべての人に適しているわけではありません。 また、レンズの管理やケアにも注意が必要です。その他、レーシックなどの手術療法が選択肢となる場合もありますが、適応やリスクなどを考慮する必要があります。不正乱視の治療法は多岐にわたるため、眼科専門医に相談し、適切な検査と診断を受けた上で、自分に合った治療法を選択することが大切です。

治療法 説明 メリット デメリット
眼鏡/ソフトコンタクトレンズ 一般的な視力矯正 – 比較的手軽
– 安価
– 不正乱視への効果が限定的
ハードコンタクトレンズ 角膜上に涙のレンズを作り、不正な形状を補正 – 眼鏡やソフトコンタクトレンズより効果的 – 装用感に慣れるまで時間がかかる
– 異物感がある
– 管理やケアに注意が必要
レーシックなどの手術療法 – 適応やリスクを考慮する必要がある

その他の治療法

その他の治療法

円錐角膜が原因で視界がゆがみ、ものが二重に見えたり、ぼやけたりする不正乱視が進んでしまうことがあります。このような場合は、角膜クロスリンキングという治療法が行われることがあります。
角膜クロスリンキングは、特殊なビタミンを点眼した後、紫外線を照射することで、角膜の内部にあるコラーゲン線維同士の結合を強めます。これにより、角膜の強度を増し、形状を安定させる効果が期待できます。
さらに症状が進行した場合や、角膜クロスリンキングの効果が不十分な場合には、角膜移植が必要となることもあります。角膜移植は、健康な人の角膜を移植する手術です。
近年では、不正乱視の新たな治療法として、特殊な眼内レンズを用いた治療法も注目されています。この治療法は、既に白内障の手術を受けたことがある方や、白内障を併発している方に行われます。手術の方法としては、白内障の手術と同様に、濁った水晶体を取り除いた後、その部分に特殊な眼内レンズを挿入します。
この特殊な眼内レンズは、不正乱視を矯正する効果があり、視力回復が期待できます。

治療法 説明 対象
角膜クロスリンキング 特殊なビタミン点眼と紫外線照射により角膜コラーゲン線維の結合を強化し、角膜強度を増強、形状安定を目指す。 円錐角膜による不正乱視
角膜移植 健康な人の角膜を移植する手術。 角膜クロスリンキングの効果不十分な場合や、症状が進行した場合
特殊な眼内レンズを用いた治療法 濁った水晶体を取り除き、特殊な眼内レンズを挿入する。 白内障手術経験者や白内障併発者で不正乱視の矯正を希望する人