目の老化と調節力
眼のことを教えて
先生、「調節」ってどういう意味ですか?
眼の研究家
良い質問だね。「調節」は、近くの物を見る時に、レンズの役割をする水晶体の厚さを変えることで、ピントを合わせることを指すよ。
眼のことを教えて
水晶体の厚さを変える? どうやってですか?
眼の研究家
水晶体の周りにある筋肉が縮んだり緩んだりすることで、水晶体の厚さを変えているんだ。 年を取ると、この筋肉の力が弱くなって、近くの物にピントを合わせにくくなる。これが老眼だよ。
調節とは。
ものを見るときに、近くの物を見るためにレンズの厚さを変えて、はっきり見えるようにすることを「調節」と言います。この調節する力が弱くなってしまうことを老眼と言います。
ピントを合わせる力、調節
私たちは、近くのものを見たり、遠くのものを見たりする際に、常にクリアな視界を保つために、無意識のうちに目のピントを調整しています。この目のレンズの厚さを変えることでピントを合わせる能力を「調節」と呼びます。遠くのものを見るとき、私たちの目のレンズは薄くなり、逆に近くの物を見るときにはレンズは厚くなります。このレンズの厚さの変化は、毛様体筋という筋肉の働きによって行われています。
調節力は、年齢と共に低下していきます。これは、水晶体と呼ばれるレンズの弾力が年齢とともに失われていくためです。若い頃は、水晶体は柔軟で、毛様体筋の収縮に応じて容易に厚さを変えることができます。しかし、年齢を重ねるにつれて、水晶体は硬くなり、毛様体筋の力だけでは十分に厚さを変えられなくなっていきます。
調節力の低下は、老眼と呼ばれる症状を引き起こします。老眼になると、近くの物が見えにくくなり、新聞や本を読んだり、スマートフォンを操作したりする際に、目を酷使してしまうことがあります。調節力の低下を感じたら、早めに眼科を受診し、適切なアドバイスや治療を受けるようにしましょう。
項目 | 詳細 |
---|---|
調節 | 近くの物を見るときはレンズが厚く、遠くの物を見るときはレンズが薄くなることで、常にクリアな視界を保つための目のピント調節機能。 |
調節の仕組み | 毛様体筋という筋肉がレンズの厚さを変化させることで調節を行う。 |
年齢による変化 | 年齢とともに水晶体の弾力が失われ、調節力が低下する。 |
調節力低下の影響 | 老眼になり、近くの物が見えにくくなる。 |
推奨される行動 | 調節力の低下を感じたら、眼科を受診する。 |
水晶体の役割
私たちの目は、カメラとよく似た仕組みで物を見ています。カメラのレンズに当たるのが、目の中の「水晶体」と呼ばれる透明な組織です。水晶体は、カメラのレンズのように光を集め、網膜というスクリーンに像を映し出します。
水晶体の大きな特徴は、その厚さを変えることで、近くのものから遠くのものまで、はっきりと見ることができる点です。
近くの物を見るときは、毛様体筋という筋肉が縮み、水晶体を支える毛様体小帯が緩みます。すると、水晶体は自身の弾力によって厚くなります。反対に、遠くの物を見るときは、毛様体筋が緩み、毛様体小帯が引っ張られることで水晶体は薄くなります。
このように、水晶体は毛様体筋と毛様体小帯の働きによって厚さを自在に変えることで、網膜に常に鮮明な像を結ぶことができるのです。この機能を「調節」と呼びます。水晶体の調節機能のおかげで、私たちは日々の生活の中で、近くの本を読むことや遠くの景色を眺めることをスムーズに行うことができるのです。
目の器官 | カメラの部品 | 機能 |
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水晶体 | レンズ | 光を集め、網膜に像を映し出す |
水晶体 | レンズ | 厚さを変えることで、近くのものから遠くのものまでピントを合わせる(調節) |
毛様体筋 | – | 水晶体の厚さを調節する筋肉。近くを見るときは縮み、遠くを見るときは緩む。 |
毛様体小帯 | – | 水晶体を支える組織。毛様体筋と連動して水晶体の厚さを調節する。 |
網膜 | フィルム・センサー | 水晶体によって集められた光が像として映し出される。 |
調節と年齢の関係
目は、水晶体の厚さを変えることで、近くのものを見たり遠くのものを見たりすることができます。この機能を調節と呼びます。遠くを見るときは水晶体が薄く、近くを見るときは水晶体が厚くなることで、網膜に常にピントの合ったはっきりとした像を結ぶことができます。
しかし、この調節力は、年齢を重ねるにつれて低下していきます。これは、水晶体の柔軟性が徐々に失われていくためです。水晶体の柔軟性が失われると、近くのものを見るときに水晶体を十分に厚くすることができなくなり、ピントを合わせるのが難しくなります。
水晶体の柔軟性は、20歳くらいがピークで、その後は徐々に低下が始まります。そして、40歳代頃から多くの人が、近くのものが見えにくいなど、調節力の低下による自覚症状を感じるようになります。老眼は誰にでも起こる目の老化現象の一つと言えるでしょう。
調節とは | 遠くを見るとき | 近くを見るとき |
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水晶体の厚さを変えることで、遠近どちらにもピントを合わせる機能 | 水晶体が薄くなる | 水晶体が厚くなる |
年齢と調節力 | 20歳くらい | 40歳代~ |
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水晶体の柔軟性 | ピーク | 低下し始め、老眼の自覚症状が現れる |
老眼:避けられない目の老化現象
誰でも避けては通れないのが、歳をとるということ。そして、体の様々な部位と同じように、私たちの目も老化していきます。その代表的なものが、「老眼」です。医学的には「老視」とも呼ばれるこの現象は、目のピント調節機能が衰えることで起こります。
若い頃は、近くのものを見ようとすると、水晶体というレンズの役割を果たす部分が厚みを増し、すばやくピントを合わせていました。しかし、年齢を重ねるにつれて水晶体の柔軟性が失われ、この調節機能が徐々に低下していきます。その結果、近くのものを見るときにピントが合いづらくなり、ぼやけて見えるようになるのです。これが老眼の初期症状です。
さらに老眼が進むと、近くのものを見るために無理にピントを合わせようとするため、目に負担がかかりやすくなります。そのため、長時間読書や手作業を続けると目が疲れやすくなったり、頭痛を引き起こしたりすることもあります。老眼は40代頃から始まることが多いと言われていますが、個人差があるため、早い人では30代後半から自覚症状が現れる場合もあります。
老眼の症状 | 原因 | 発生時期 |
---|---|---|
近くのものがぼやけて見える。 目が疲れやすくなる。 頭痛 |
水晶体の柔軟性が失われ、ピント調節機能が低下する。 | 40代~ (早い人では30代後半~) |
老眼の対処法
年齢を重ねると、近くのものが見づらくなるという経験をする方が増えてきます。これは、目のレンズの役割をする水晶体の弾力が低下し、ピントを調節する力が弱くなることが原因で、老眼と呼ばれる状態です。老眼は誰にでも起こる自然な老化現象の一つであり、特別な病気ではありません。
老眼の症状を改善するには、大きく分けて眼鏡やコンタクトレンズを使用する方法と、手術で老眼を矯正する方法があります。
眼鏡には、近くを見るためだけの老眼鏡と、遠くも近くも見えるように設計された遠近両用眼鏡があります。コンタクトレンズにも、遠近両用タイプのものがあります。それぞれメリットやデメリットがありますので、ライフスタイルや見え方の希望を考慮して選択する必要があります。
一方、近年注目されているのが、老眼を矯正する手術です。手術には、レーザーを用いて目の表面の角膜の形を変える方法や、水晶体を取り出して代わりに人工レンズを挿入する方法など、いくつかの種類があります。手術は、眼鏡やコンタクトレンズが不要になる可能性があるというメリットがありますが、リスクや費用などを十分に考慮する必要があります。
老眼の対処法は、症状の程度やライフスタイルによって異なります。自分にとって最適な方法を見つけるためには、自己判断せずに、眼科医を受診し、適切な検査とアドバイスを受けることが大切です。
老眼の原因 | 老眼の症状 | 老眼の対処法 |
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水晶体の弾力低下によるピント調節力の低下 | 近くのものが見えづらい |
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