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目の病気

見えない不安と向き合う:緑内障の世界

- 緑内障とは?緑内障は、眼球の奥にある視神経が障害されることで、視野(見える範囲)が狭くなったり、欠けたりする病気です。視神経は、カメラに例えると、レンズを通って入ってきた光を脳に伝達するフィルムのような役割を担っています。この視神経が、眼圧などの影響を受けて傷つくと、脳に情報が正しく伝わらなくなり、視覚に影響が出てしまいます。緑内障の怖いところは、初期段階では自覚症状がほとんどないことです。そのため、気づかないうちに病気が進行し、視野が狭くなってしまうケースが多く見られます。視野が狭くなるということは、例えるなら、周りの景色がだんだん暗くなっていくようなものです。最初は、ほんの少し暗く感じる程度かもしれませんが、進行するにつれて、視野の中心がぼやけたり、物が歪んで見えたりすることもあります。さらに悪化すると、日常生活に支障をきたすようになり、最悪の場合、失明に至る可能性もあります。緑内障は早期発見・早期治療が非常に重要です。そのため、定期的な眼科検診を受けるように心がけましょう。
視力

両眼で視るということ:両眼視力の重要性

- 両眼視力とは私たちが普段、ものを見るとき、左右両方の目はそれぞれ別の角度から対象物を捉えています。そして、脳はそれぞれの目から送られてくるわずかに異なる二つの映像を一つに統合し、奥行きや立体感、距離感を認識しています。このように、両方の目を使うことで得られる視覚機能のことを「両眼視力」と呼びます。両眼視力は、単に両目の視力値の合計を指すのではありません。たとえ左右の目がそれぞれ良く見えていたとしても、両方の目でうまく情報処理ができず、立体的にものを見ることができない場合もあります。両眼視力は、スポーツや自動車の運転、精密作業など、日常生活のあらゆる場面で重要な役割を果たしています。例えば、ボールを正確にキャッチするためには、ボールまでの距離や速度、移動する方向を立体的に把握する必要があり、このときに両眼視力が大きく関わってきます。また、車の運転では、車間距離や他の車との位置関係を正しく把握するために両眼視力が欠かせません。このように、両眼視力は私たちが安全かつ快適に日常生活を送る上で非常に重要な機能と言えるでしょう。
その他

眼科における症例数の考え方

眼科で診察を受けると、診断書などに「症例数」という言葉が使われているのを目にすることがあるかもしれません。これは、眼科医療ならではの考え方で、治療を受けた患者さんの人数ではなく、治療を行った眼の数を表しているのです。 なぜこのような表現を使うのでしょうか?それは、眼の治療は、多くの場合、左右の眼に対してそれぞれ独立して行われるためです。例えば、ある患者さんが右目は白内障、左目は緑内障と診断されたとします。この場合、患者さんは1人ですが、それぞれの目に異なる治療が必要になります。このような場合、患者さんの数をそのまま治療数としてしまうと、実際の治療の状況を正しく反映できません。 そこで、眼科では「症例数」を用いることで、より正確に治療の状況を把握しているのです。先ほどの例で言えば、患者さんは1人ですが、症例数としては白内障と緑内障で2例とカウントされます。このように、症例数は、眼科医療において、患者さん一人ひとりの状態をより詳しく把握し、適切な治療を提供するために欠かせない指標と言えるでしょう。
目の病気

感染力に注意!流行性角結膜炎

- 流行性角結膜炎とは流行性角結膜炎は、アデノウイルスというウイルスによって引き起こされる、人から人へとうつりやすい目の病気です。一般的には「はやり目」として広く知られており、毎年多くの人が感染しています。この病気は、感染した人の涙や目やにに含まれるウイルスが、別の人の目に直接、あるいは間接的に接触することによって感染します。 例えば、感染した人が触れたタオルやドアノブ、電車のつり革などを介してウイルスが手に付着し、その手で自分の目を触ってしまうことで感染することがあります。また、プールで感染するケースも見られます。症状としては、目のかゆみや痛み、充血、まぶしさ、涙が出る、目やにが出るなどがあります。症状が重い場合には、視力が低下することもあります。さらに、耳の前やあごの下のリンパ節が腫れることもあります。流行性角結膜炎は、その強い感染力から、学校や職場、家庭内などで集団感染を引き起こす可能性があります。感染を防ぐためには、こまめな手洗いとうがいの励行が非常に重要です。特に、外出後や食事前、トイレの後などは必ず手を洗いましょう。また、タオルの共用は避け、目やにや涙で汚れた場合はすぐに新しいものに交換することが大切です。症状が出た場合は、早めに眼科を受診して適切な治療を受けるようにしましょう。